ベッジ・パードン

302 名前:1/3 :2012/01/31(火) 14:02:58.42
「ベッジ・パードン」という三谷幸喜の舞台が後味悪い

明治時代にイギリスへ留学した青年・金之助が主人公。
金之助は下宿先で、同じく下宿している日本人の宗太郎と親しくなる。
二人はすぐに意気投合したが、金之助は宗太郎に対しコンプレックスも持っていた。
それは、ふたりの語学力の差だった。
宗太郎の英語が発音も文法も完璧なのに比べて、自分の英語はとても未熟
金之助は自分の語学力の低さを恥じ、落ち込んでしまう
宗太郎からパブやパーティーなどに誘われても、
金之助は「皆に笑われている気がするから」と言って、行こうとはしなかった。
(実際に、下宿先のおばちゃんなど一部の人は金之助を馬鹿にしていた)

そんな金之助を唯一慰めてくれたのが、下働きの少女・ベッジだ。
ベッジは馬鹿な田舎娘だったが、とても心優しく明るい娘だった。
底流階級のベッジは、日本人の金之助同様、差別を受けていたため、
二人は互いに相手へと同情し合い、しだいに恋人として惹かれあっていく。


303 名前:2/3 :2012/01/31(火) 14:06:38.04
実は金之助には、日本に残してきた妻子がいた。
しかしイギリスに来てからというもの、金之助が何度手紙を送っても、
妻からの返事は一度も帰ってきたことがなかった
金之助は、妻はもう自分を愛していないのだと思い、
帰国したら妻とは離婚し、ベッジを連れ帰って正式な嫁にしようと考えていた

一方ベッジは、弟からギャンブルで多額の借金を負ってしまったことを知らされる
弟はベッジに「風俗街で働いてほしい」(そうすれば前借した金で借金を返せる)と言うが、
金之助からプロポーズされたばかりで幸せの絶頂だったベッジは、当然それを断る
金之助も「自分の姉にそんな事を頼むなんておかしい」と取り合わない

しかしある日、宗太郎が金之助あての手紙を隠していたことが判明する
金之助が宗太郎に語学力の差でコンプレックスを抱いていたのと同じく、
宗太郎も、話し上手で頭もよくイケメンな金之助に嫉妬していたのだ
宗太郎が金之助をパーティー等に誘ったのは、英語のヘタな彼をこっそり嘲笑するためだった
金之助は、妻が何度も手紙を送ってくれていて、まだ自分を愛していることを知る


305 名前:3/3 :2012/01/31(火) 14:15:16.89
日本にいる妻とベッジのどちらをとるか、金之助は苦悩する。
そんな彼を見てベッジは風俗嬢になることを決意し、そっと家を後にした
ベッジが居なくなったのを知り、金之助はショックから自暴自棄になり引きこもってしまう
最終的にはベッジらしき風俗嬢が裏町で死んだという噂が流れ、金之助はさらに後悔するのだった

要は「舞姫」的な物語なんだが、
ずっと親しくしてくれていた宗太郎が、実は金之助を妬みまくって嫌がらせしていたいたとか
そのせいで金之助は妻を信じられなくて、ベッジに手を出してしまうとか、全体的にもやもやする
特に、一度は幸せの絶頂だったベッジが、結局突き落とされるのが後味悪い