ホーム » 小説 » 小説/あ行 » 朝の少女(マイケル・ドリス)

58 名前:1 :2012/06/06(水) 19:11:08.15
恐らく既出、本が見つからなかったのでちょっと曖昧だけど、
マイケル・ドリス?作、灰谷健次郎訳の短編小説「朝の少女」

主人公は、文明が発達していない海辺の地で平和に暮らしている
「朝の少女」と呼ばれている、朝と太陽が好きな、誰より早起きの多感な少女と、
後に「星の子」と呼ばれることになる、夜と星の好きな、
夜遅くまで起きていて星や夜を眺めているため朝寝坊な、やんちゃな弟
(その部族では自然に特徴で呼ばれるようになっていて、それが大人への入り口になる)
章毎に2人の視点で交互に描かれていて、
自然や愛情深い父や母、他の家族との付き合いや、自分との対話、出来事
様々なことから、瑞々しく成長していく2人を描いている
性質の違う2人はお互いを煙たく思ったりもするが、
何かあると庇いあったり、事ある毎に愛情や信頼を確かめ合い、
弟は姉を2人だけの時には、特別な呼び名の「いつもそばにいてくれる人」と呼ぶようになる

父の教え「この世の何に対しても礼儀正しく振る舞わなければいけない」に従い、
いつも礼儀正しく、全てに真摯に明るく向き合おうとする朝の少女が
ラストでよそからきた来訪者たちと出会う
自分達と比べると、ひどく太って、見慣れない衣装を着、船を不器用に漕ぐ人々を見て、
遅れた島から来た人々に違いないけれど、失礼にならないように迎えよう、
きっと新しい素晴らしい友情が生まれるはずだと希望に満ちて、
来訪者たちを歓迎すべく、村のみんなに知らせに帰る朝の少女で本編終了


59 名前:2 :2012/06/06(水) 19:13:14.58
一転、エピローグとして「クリストファー・コロンブス」の署名のある手紙だけが示される
曰わく「未開の地に改宗させ正すべき人々を見つけた、
彼らは無知で武器さえも知らず、疑うことも知らない、
聖なる信仰であるキリストの教えと教育を施せば良き奴隷となることであろう、
ひとまず国に連れ帰り陛下にご覧にいれるつもりである」

全編通じて明るく、文明がないだけに真理に溢れてるような空気、
自然やそれへの信仰、愛情や信頼なんかがテーマになっていただけに、
ラストのページで頭をぶん殴られたような気持ちになった
個々のエピソードが素朴だけど深いから、うまく紹介することができず端折ってしまいました
作者はネイティブアメリカンの血が入っているらしい
少女の父親が、何事にも畏敬の念を持って尊重したり
敬って礼儀正しくするべしっていうのを柔らかく教えてるんだけど、
それを「我こそ真理」とばかりに、改宗させて奴隷にしてあげた方が彼らにも当然幸せなことと
ゴリゴリ押して、何の罪悪感も疑問も感じないであろうと人々に踏みにじられるいうのが
最後の最後のページで突きつけられて初読の時は大ショックを受けた話でした


61 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/06(水) 20:56:40.90
>>58
マイケル・ドリスで間違いないよ>著者名
アメリカ先住民研究家としても有名な人ですな
なんでも、自身も先住民の血を引いているとか

ちなみに
>文明が発達していない海辺の地
は白人入植以前のアメリカ大陸(のどこか)ね

 

朝の少女 (新潮文庫)
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