パラレル同窓会(藤子・F・不二雄)
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407 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/18(月) 09:26:54.91
- 藤子のSF短編
パラレル同窓会主人公Aは大企業の社長で自他共に認める成功者だが日々満たされない違和感を感じている。
趣味で小説を書いていて小説家を目指していた時もあったが、今更誰にも見せる気はないと言うスタンス。
ある日会社で友人と話してるとSMクラブで君(A)を見たと聞かされる。
Aは自分は確かにサディスティックな気質はあるが
SMクラブに行った事など無いと否定するが信じてもらえず家路につく。
妻が出迎えるとさっき帰って来て書斎に行ったのにと驚かれる。
書斎を調べると誰もいず冗談はやめろと妻に切れるが、
しばらく書斎に一人でいるともう一人の主人公Bが現れSMクラブに行ったのは自分で、
自分はパラレルワールドの人生を送った主人公達を誘う幹事で同窓会を開くのだと言う。Bによると「その時」が来れば頭の中に閃きのようなものが走り全て理解出来るらしい。
そして「その時」が来てAは全てを理解し、目の前に会場への異次元の道が現れAは同窓会に参加する。
会場に着くとBは後は好きに行動していい、他の自分と折り合いがつけば人生を交換してもいいと言う。
パラレルワールドの自分は窓際に追いやられたり、愛人とくっついて会社を追い出されたり、
海外で観光ガイドで食ってるやつ等様々なやつがいるが、
中にはサディスティックな気質から殺人犯になったものまでいる。
Aはそいつに人生を取り替えろと襲われるが主人公Cに助けられる。Cは売れない作家で原稿は売れず肉体労働で食ってるとAに話すが、
満たされない日々を送っているAにはCのその生活が魅力的に思え、
Cと人生を取り替えれば満たされるかもしれないとAはCに人生交換を持ち掛けるがCは渋る。
Aは食い下がりCは渋々了承。
その直後同窓会のお開きの放送が流れ「全てを忘れてそれぞれの道を歩いて日常に戻ってください」と流れる。場面が変わりAはCの姿でベンチで寝ていた。
パトロールしている警官に起こされ目を覚ます。
夜道を歩いてAは考える。
A「自分が自分でないような気がする。満たされぬものが・・。そうだ満たされていないのは胃袋だ。
明日の飯をどうしよう。」