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602 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/24(日) 16:25:08.90
筒井康隆「銀齢の果て」
とっくの昔に年金制度が破綻した近未来。政府は「老人相互処刑制度」を制定する。
それは何年かに一度、全国からランダムに町村を選び出し
そこに住む70歳以上の老人を最後の一人になるまで殺し合わせるという
まあ、簡単にいえばバトルロワイヤルの老人版パロディ

本家と違う点は
・舞台になるのは孤島とかではなく、指定された地域。一般人も普通に生活してる。
 もし一般人に流れ弾があたったらそれは普通に殺人行為なので、処罰対象。
 (なので、孫を盾に籠城する老人とかも出てくる)
・首輪は無し。違反者は厚労省職員が射殺。
・武器は各自自己調達。重火器類はヤクザが高額で売りつけに来る。
 なので、それまでの蓄えにより有利不利が生まれる。等

主人公である蕎麦屋の隠居は、前大会優勝者である退職刑事(優勝後、殺戮に目覚める)と秘密裏に組み、
いろいろあって最終的に居住地区で優勝する。


603 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/24(日) 16:28:46.79
大会が終わり、一ヶ月後、日常を過ごしていると主人公と退職刑事の元に一人の老人が訪ねてくる
彼は主人公たちと同時期に開催された、老人ホームでのバトルロワイヤルの優勝者だと言った。
そして優勝者を集め、厚労省を襲撃することを計画していると二人に話す。
もし、賛同してくれるのならホテルに来て会合に参加してほしい。
勿論、参加するのは自由だから来なくてもかまわないが、この計画の事は黙っていてほしい、と。
勢いで二人とも頷き、後日、他の優勝者達が集まる襲撃計画会議にも参加する。

そして、襲撃当日。主人公は集まったメンバーの中に退職刑事の姿が無い事に気づく。
そして、会合の後、「あんたは俺達と違って家族もいるんだから参加しない方がいいんじゃないか」
と声を掛けられたことも思い出す。よく観察してみれば厚労省は不自然なぐらい静まり返っている。
ひょっとして刑事は密告したのではないだろうか。
考えてみれば「刑事」などという職業は国の手先の様な物ではないか。
そんな主人公の懸念をよそに、他の老人達は厚労省に突撃する。瞬間、厚労省の中から聞こえてくる発砲音。
やはり待ち伏せされていたのだ。青くなって引き返す主人公の前に、刑事が現れる。
「やべえ、寝過ごして遅刻しちまった!」そして厚労省を見て「お、さっそくやってやがる!」
と目をギラギラさせながら、彼もまた建物の中につっ走って行った。主人公はそれを呆然と見つめる。

刑事の言葉は純粋に主人公を気遣ってのものだった。
老人達は耳が遠いため、自然と声が大きくなってしまい、
部屋から声が漏れそれを聞いたホテルの従業員が通報したのだった。

一方、主人公の家では、老人達による厚労省襲撃のニュースが流れていた。
心配する家族の元に、主人公が帰ってくる。泣いて喜ぶ家族の前で、主人公は呟く。
「また、俺だけ死ねなかった……」


604 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/24(日) 17:36:25.97
うーむ…
後味の悪い話に慣れちゃったからか、特に後味悪さを感じられなかった…

605 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/24(日) 17:48:08.77
元刑事が楽しそうで何よりだ。

651 名前:本当にあった怖い名無し :2012/06/26(火) 00:46:06.07
>>602
亀だけど、田舎の婆さんの話が印象に残ってる。

限界集落で一人暮らしの老農婦、お熊(ゆう)さん。
強くて肝が据わってる。
息子や娘が未だに貧乏だから米や野菜を送ってやらなきゃ、って理由でクーデター参加をあっさり断るんだよね。

 

銀齢の果て (新潮文庫)
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