ホーム » 小説 » 小説/は行 » 母子像(久生十蘭)

467 名前:1/2 :2012/07/27(金) 16:55:32.30
久生十蘭「母子像」

舞台は戦後の混乱期~朝鮮特需の時代。
太郎は16歳、アメリカの慈善団体の援助で、ハワイの学校から日本のミッション系中学の一年生に編入した。
(日本語教育が足りないため)

太郎はサイパン生まれの戦災孤児。
母は将校向けの慰安所を切り盛りする美しい女傑だった。
太郎は普段、現地人の宣教師に託児されっぱなしで、滅多に会えない美しい母を崇拝していた。
サイパン陥落で逃げ惑っている時も、母と一緒にいられるだけで幸せだった。

日本人親子が自決する時は、抱き合って崖から飛び降りるか
ロープで体を結び合わせて入水するのが普通だったが、太郎は母に首を絞められ、捨てられた。
三重に巻いて首が瓢箪のように括れるほど絞めて固く結んだ麻紐には、滑りがいいように石鹸が塗ってあったという。

太郎を捨てて帰国した母は銀座でバーを経営しているが、あまり儲かっていないらしい。
米軍キャンプ近くの寄宿舎で暮らす太郎は、母のために、朝鮮帰りの米兵を母のバーに案内するアルバイトを始めた。
また、母の顔見たさに花売り娘に女装して、バーに出入りもした。太郎の顔を忘れた母に叩き出されたが。


468 名前:2/2 :2012/07/27(金) 16:56:58.34
ある日、ポン引きまがいのアルバイトをするうちに顔見知りになったタクシー運転手が太郎に言う。
「あのマダム、おめェのおふくろさんだろ?たいした孝行息子だよ、
 おふくろさんがアメちゃんと何やってっか、教えてやろうか」

母の部屋に忍び込み、売春行為を目の当たりにした太郎は、防空壕で焼身自殺を試みて失敗する。
その防空壕には米軍の資材があったので、太郎は逮捕され、見当違いの尋問を受ける。

(あれは母さんじゃない、ただの女だ。豚が焼け死ぬ時だって、あんなやかましい声は出さない)
絶望した太郎は、拳銃を奪おうと刑事につかみ掛かり、射殺される。

母と死ねると思ったけど当てが外れて、でも大好きな母に殺されるんならまぁいいか、と
おとなしく従う息子、息子を捨てて帰国した母…
米兵を母のバーに連れていったのも、チップ目当てじゃなくて、母の役に立ちたい一心からなんだよな。


469 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/27(金) 17:29:37.32
麻紐に石鹸塗ったのは母親じゃないのか?

470 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/27(金) 17:30:33.18
>>467
>>三重に巻いて首が瓢箪のように括れるほど絞めて固く結んだ麻紐
なのに太郎が生きてるのは紐に石鹸が塗られていたから?
実際に首が瓢箪みたいになった訳じゃないんだよね?

471 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/27(金) 19:38:32.83
「苔色になって」死んでいたのを、発見した将校が
二人がかりで2時間人工呼吸をして、なんとか助けたそうです。
首が瓢箪になるほど絞めあげ→三重に巻き付け→神の力でも解けないように固く駒結び、
おまけに麻紐に石鹸が塗ってある。

サイパンの民間人が自決する場合、親子で一緒に死ぬのが普通で、
子供の死体だけが転がっているのはこれだけだった、と原文にあります。


472 名前:本当にあった怖い名無し :2012/07/27(金) 19:41:21.95
>>471
先にそれ書かないと、話が繋がらないよ。

 

久生十蘭短篇選 (岩波文庫)
久生十蘭短篇選 (岩波文庫)
湖畔・ハムレット 久生十蘭作品集 (講談社文芸文庫)
湖畔・ハムレット 久生十蘭作品集
(講談社文芸文庫)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...