ホーム » 小説 » 小説/か行 » この卑しい地上に(フィリップ・K・ディック)

586 名前:1/3 :2012/08/01(水) 21:15:57.07
P・K・ディック「この汚(けが)れた地上に」
名前は適当です。

ジョージの恋人ナンシーは、「天使」を呼び出すことができた。
「天使」といっても、翼を持った白く光る高エネルギー体としか形容できない、異次元の存在である。
美しいナンシーは、牧場や屠場で彼らの好物である子羊の血を買い、
自宅近くの「異次元に近くて彼らが現れやすいポイント」の草原に撒いて彼らを呼んでいた。

ナンシーの両親は、彼女を
「あの子は変わっているから…」
と諦め、ブスの妹は
「あいつは気違いの魔女よ!」
と憎んでいた。

ナンシーはジョージに、自分はいずれ彼らの所に行くつもり、彼らも賛成している、でもあなたは行かれないわ、と語る。
ジョージは、彼らは所詮人間ではない危険な存在だと訴えるが、ナンシーは聞き入れない。

ある日、地下室でナンシーが怪我をする。
ジョージが駆け寄るより早く、血の匂いを嗅ぎ付けた「天使」が押し寄せ、ナンシーを殺してしまう。
高エネルギー体である彼らが触れただけで、地上の存在であるナンシーの肉体は炭化した。
彼らが触れたボイラーも爆発したので、ナンシーの死は不幸な事故と見做された。
(このへんうろ覚え)


587 名前:2/3 :2012/08/01(水) 21:17:05.43
ジョージはナンシーが彼らを呼び出していた草原に、豚の血を撒いて語りかける。
(子羊の血が手に入らなかったので)

ナンシーを還してくれ、彼女はそちらに行きたがっていたが、今すぐ行きたかったわけではない。
僕と結婚し、子供を生んで孫の顔を見て天寿を全うしてからでも遅くはないはずだ。
そちらの手違いを償ってほしい。

空中からナンシーの弱々しい声が聞こえた。
「ジョージ、彼らも戸惑っているわ。私がすぐに来たがっていると思ったんですって」
「私も戻りたいけど、私の肉体はもう火葬になったのね?」
「何もない所から生命を作り出すのは、彼らには無理なのよ…
 
遠い昔に”あのお方”がやって以来、成功した試しがないんですって」
「彼らは、どんな副作用が現れるかわからないと言っているわ。でも精一杯努力してくれるそうよ」

しばらく待ったが、何も起こらない。
落胆したジョージはナンシーの家を訪ねる。
出迎えた妹の顔と体が不意に大きく歪み、ナンシーに変化する。
「ジョージ、私戻って来たわ」

ナンシーの両親の姿も大きく歪み、ナンシーに変化する。
「ジョージ、私戻って来たわ」
「何だかおかしいわ、誤差が出たのかもしれない」
ジョージは家を飛び出し、車を飛ばす。


588 名前:3/3 :2012/08/01(水) 21:17:58.00
ヒッチハイカーを拾えば、途中でナンシーに変化する。
「ジョージ、こんなことになるとは思わなかったわ」
24時間営業のドライブインに入れば、ウェイトレスがナンシーに変化する。
「ジョージ、彼らには無理だったのよ」

車を飛ばしてアパートに戻り、バスルームの鏡を見ると…
「ジョージ、私戻って来たわ」
バスルームの鏡には、ジョージの服を着たナンシーの姿があった。
「あなたがいない世界で、私はどうすればいいの…」

キリスト教乙。
無からナンシーの「器」を作るのは無理だから、こちらがわをちょっと弄ってやれ→大失敗。


589 名前:本当にあった怖い名無し :2012/08/01(水) 23:04:31.64
>>588
お前キリスト教の事なんもわかってないだろ?
それのどこらへんがキリスト強なんだよw

 

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