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613 名前:インビジブルレイン :2012/09/06(木) 22:29:34.48
誉田哲也 『インビジブルレイン』

主人公は姫川という女性警察官。
竹内結子主演でドラマ化された『ストロベリーナイト』と同じシリーズだが、
主要な登場人物が一緒というだけで『ストロベリー~』と内容的につながりはない。
この作品の、脇役だが事件の真相に大きく関わる人物(A)の人生が後味悪い。

Aは小学生の時に母親を亡くし、父と姉の三人暮らしとなった。
母を亡くしたことで精神のバランスを崩したらしい父は、姉を性的に虐待するようになる。
幼いAはそれを知っても何もできなった。
姉は高校を卒業すると、父が出張かなんかの隙をついて恋人(父親と姉の関係は知らない)と家を出た。つか、逃げた。
姉の家出を知った父は半狂乱になってAを問い詰め、時には暴力も振るうが、Aは知らぬ存ぜぬを貫き通した。
だが、姉は家出先のアパートで何者かに殺された。凶器は父のネクタイだった。
姉の遺体にはセックスの痕跡が残っていた。
週刊誌は「警察は、被害者の親 族 の 男 性
から事情を聴いている。」と書き立てる。
警察は父を容疑者とみなし、任意でありながら過酷な取り調べを続けた。
父は警察署内で警官の銃を奪い、自殺した。警察にしてみれば大変な不祥事であるが、
逆に自殺したことにより父が犯人であると警察的には確定したものと思われた。
そもそも、警察が父を執拗に取り調べたのは姉の遺体に残された体液が父のものであったからだった。


614 名前:インビジブルレイン :2012/09/06(木) 22:31:07.59
一人残されたAはそれからの数年を死んだように生きる。
だが、年月を経るうちに、姉を殺したのは本当に父だったのかと疑問を持つ。
あの日父はついに姉の居所を突き止めてしまったのだろう。
そしてそこに押しかけ、激情のままに姉をレイプしたのだろう。
-だが、殺してはいないのではないのだろうか。
Aの直感は間違っていなかった。犯人は姉の恋人(B)だった。BはAに問い詰められて
「俺はあの女に騙されたんだ、父親とヤるような薄汚い女にな!」と逆ギレし、Aをボコる。
AはBに復讐を誓う。

Aはコンピュータが得意で、デジタル化された警察無線の解析に成功する。
警察無線の盗聴で得た情報で、暴力団相手の情報屋を始める。
この時知り合った暴力団の幹部(C)が運の良いことに話のわかる相手だった
(CはCで複雑な生い立ちを背負っており、根っからのヤクザではない)ので、
Cと手を組んで大金を稼ぐことができるようになった。
暴力団の内部事情に疎いAにはどんな情報が高く売れるのかわからなかったからだ。
Aと組むのはCにもメリットがあって、Aの情報を流すことで同業者相手に恩を売れるのだ。
AはC専属の情報屋となることを承諾する際に、一つ条件を付ける。Bを殺害することである。
それも、できるだけ残虐な方法で。(このBの殺人事件が主人公姫川が手がける事件である。)
Cのために警察無線盗聴を続ける一方、Aは表向きのアルバイト先で同僚女性と親しくなりかけていた。
自分に幸せになる資格はないと思い込み人と深く関わるのを避けていたAだったが、
年月が少しずつ本人も気づかぬうちに心の傷を癒していたのだろう。
素朴なあたたかい人柄の同僚にAも心を開き、同僚はAの子を宿す。


616 名前:インビジブルレイン(終) :2012/09/06(木) 22:44:46.85
だが、Cの舎弟でCにホモ恋慕しているDが主人公姫川がB殺害の真相に迫りつつあるのに危機感を抱く。
もともとAをよく思っていなかったDは、独断でAにB殺害の罪をなすりつけ自殺に見せかけて殺す。
Aは、悲惨な過去に区切りを付け、恋人(と子供)と新しい人生に踏み出そうとした矢先に殺されるのである…。

屑親父のせいで人生狂った姉弟は本当にかわいそうなんだが、
とはいえAのやったことも立派な殺人教唆だしなあ…ともやもやする。

ちなみに、Cは性的にはノーマルなので、Dが自分をそういう目で見てるなんてことは夢にも思っていないw
しかもB・A殺害の実行犯はDの元カレw(もちろんホモで、Dに未練ありまくり) 
DがAをよく思っていなかったというのも、ホモの嫉妬乙wである。
この爛れた暴走ホモ(元)カップルもなかなか後味が悪いw

 

インビジブルレイン (光文社文庫)
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