ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その133 » ピーター・パン(まつざきあけみ)

981 名前:1/3 :2012/09/20(木) 12:09:39.50
まつざきあけみの短編漫画「ピーター・パン」

いつみは10歳の美少女。大学名誉教授の父、美しい母、優しいばあや、優しい女中の千恵と暮らす。

いつみの幼い頃の思い出は、昼間から酒臭い母と仕事人間の父の口喧嘩だった。
それと、ほったらかしにされてのめり込んだ絵本の数々。
おかげでいつみは、空想癖のある少女に育った。
思い出はもう一つある。母が大事にしていた、指輪しか入らないようなきれいな小箱である。
母はそれを、幸せになれるお薬が入っている、と説明した。

両親は世間体といつみへの責任で、どうにか離婚せずにいる。
父は母の飲酒癖と若い愛人を責め、母は父を隠れて浮気してるに違いない、
証拠を掴んでいずれ慰謝料ふんだくって離婚する、とわめくのだった。

いつみが住む屋敷の隣は大きな公園で、浮浪児が住み着いていた。
ある夜いつみは千恵に、公園を見下ろしていたらピーター・パンとウェンディがいた、と告げる。
悪い大人のパパとママを懲らしめてくれるようお願いした、とも告げる。
千恵は、浮浪児を見間違えたのよ、危ないから窓は閉めましょう。と諭す。


982 名前:2/3 :2012/09/20(木) 12:10:36.29
ある日、帰宅途中の父が浮浪児の集団に襲われる。たまたま通り掛かった人のおかげで、怪我はなかった。
数日後、酔った母がベランダから転落死する。
翌日、父と千恵が一杯のコーヒーを分け合って服毒死した。
毒は、いつみがそれと知らずに入れた物だった。
いつみは警察に、ママの「幸せになれるお薬」をコーヒーに入れた、
大好きな千恵さんに幸せになってほしいから…と語った。

いつみの幼い頃、母との会話。
「ああ、これ?これを飲んだら…あんたまだ小さいから、死ぬってどおゆう事かわかんないわよねえ」
「このお薬を飲んだら、いやーな事とかつらい事とか悲しい事とか、ぜーんぶなくなっちゃうの」
じゃあ、しあわせになっちゃうのね!
「そうねえ幸せ…似たようなもんね…何よあの人、結婚前はあたしにぞっこんだったくせに」
「ゆうべだってこれを飲もうと思ったわ、でも勇気が出なくて…」

千恵は父の愛人だった。女中に手を付けたわけではなく、愛人を女中として住み込ませたのだった。
いつみが煎れた毒入りコーヒーを回し飲みしながら、早くあなたの子供が欲しい、
血もつながらないあんな子を可愛がるのは真っ平、と夢を語る千恵だった。


983 名前:3/3 :2012/09/20(木) 12:12:00.73
いつみは最初、例の薬を千恵と分け合うつもりだった。
だが、薬を半分にしたら幸せも半分になってしまう、と思い直してコーヒーに全量を入れたのだった。
コーヒーを飲んだら、魔法の力で父が千恵にプロポーズするに違いない、
千恵は以前、「いつみちゃん大好きよ、いつみちゃんのママになりたい」と出まかせを言ったことがあったので、
それを信じていたのだ。

教訓。普通の子供にあってしかるべきものがない子供は、見えないはずの物を見てしまいます。
時としてそれは、天使のふりをした悪魔なのかもしれません。


985 名前:本当にあった怖い名無し :2012/09/20(木) 13:48:56.05
毒のある内容だけど後味は悪くないな
ろくでもない大人が全員いなくなってるし

 

犬姫御殿 (ソノラマコミック文庫―華麗なる恐怖シリーズ)
犬姫御殿
(ソノラマコミック文庫―華麗なる恐怖シリーズ)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...