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488 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/20(火) 23:29:06.69
貴志佑介の「新世界より」
深夜帯にアニメが絶賛放送中だが、続きがどうなるか気になったので原作一気読みしてみた。
以下、ネタバレ満載でお送りします。

12歳編
超能力者だけになった日本の田舎町に育った主人公・渡辺早季が、学校の仲間達とキャンプに出かけたら、
ひょんなことから自分達の世界が、超能力者達と通常人の争いの果てに
文明が崩壊して1000年以上経った世界だと知ってしまう。

14歳編
キャンプで知った秘密を胸の中にしまい、早季は何食わぬ顔で日常生活を送っていたが、
彼らの住む町はのどかそうに見えてかなりの管理社会であり不穏分子を排除する傾向があった。
それに耐えかねた早季の同級生の男女二人は駆け落ちして町の外に逃げ出してしまう。
二人を連れ戻そうと後を追う早季だったが、結局彼らは行方知れずのままとなる。

26歳編
科学文明が崩壊して1000年。人類社会はすっかりと衰退していて、
妖精さんならぬバケネズミという二足歩行のブタっぽい生き物を雑用にこき使っていたが、
これが突如として反乱をおこす。
その反乱の先頭に立っていたのは、かつて駆け落ちした同級生男女の忘れ形見の少年だった
(容姿から早季はそう確信している)
悪鬼と呼ばれるその少年相手に町の人間はなすすべなく殺されていく。
なぜなら町の人間は全て生まれつき人を攻撃できないように遺伝子操作されていたから。
バケネズミ相手なら無敵なのだが、悪鬼の少年だけはどうしても攻撃できない。
それでも無理に攻撃しようとすると、自動的に自分が死んでしまうように遺伝子が操作されていた。


489 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/20(火) 23:37:26.60
早季はなんとかするために科学文明の遺物を使おうと、廃墟となった東京に向かったり、
細菌兵器を手に入れたりするのだが全ては徒労に終わる。
しかしようやく早季は気が付いた。超能力者達は生まれつき人間を攻撃できないように生まれてくるはずなのに、
どうして悪鬼の少年だけがその機能を欠落して生まれてくるという偶然が発生したのか。
もしかしたらそんな偶然など無かったのではないかと思い至る。
つまり、遺伝子操作の機能は「人間を殺せない」ではなく「同属を殺せない」というものであり、
生まれてからずっとバケネズミに囲まれて暮らしていた少年に取って、
人間は同属ではなくバケネズミこそが同属であった。そこに気が付いた早季は、
冷酷だがもはやこれしかない策に出る。

唯一人間側の味方をしてくれた保守的なバケネズミ・奇狼丸に頼んで人間の振りをして悪鬼の少年の前に姿を見せ、
そして致命傷を与えられ死ぬ寸前に正体がバケネズミであることを明かさせた。
同属(と信じた)バケネズミが自分の攻撃で死んだ瞬間を目撃した瞬間、
悪鬼の少年の遺伝子に刷り込まれた機能が発動し、少年は死に至る。
悪鬼の少年が居なくなってしまったことで、バケネズミだけの反乱は即座に鎮圧された。
反乱の首魁である野狐丸というバケネズミは捕えられ、裁判に掛けられる。
その裁判の最中「なぜ反乱を起こした」と問われた野狐丸は、「我々は奴隷では無い」と答え、
「では何だ」と聞かれると「我々は人間だ!」と主張する。
人間の支配を憎んで反乱を起こしたはずのバケネズミが、なぜ自分を人間と主張するのか。
その違和感に早季は密かに文献を調べてみる。確証は得られなかったが仮説を立てることはできた。

科学文明が崩壊して1000年。今や数万人にまで減少した人口の全ては超能力者ばかりである。
では超能力を持たない他の人類はどこに消えてしまったのか。
人間を攻撃できないように遺伝子操作された超能力者にとって、
通常人であっても攻撃することは現在ではもはや不可能である。
しかし悪鬼の少年のように、認識が変わってしまえば攻撃することができる。
その認識を変えるために、通常人はその姿を変えられてしまったのではないだろうか。醜いバケネズミの姿に…。


490 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/20(火) 23:39:51.58
超能力者達の超能力に押さえつけられ、生権与奪を握られ、雑用に使役されるバケネズミ達は、
超能力を持たない普通の人類のなれの果てであったのである。
野狐丸はどこからかその事を知り、人類の尊厳を掛けて立ちあがったのだ。
その事を知っても、早季にはどうする事もできなかった。結局これまで通りの超能力者の共同体を維持し、
管理社会を続けていくより他は無く、後世の人間にその解決を託して、
これまでの経緯とバケネズミの真実を記した手記を綴り、ひっそりと保管させたのであった。
(終わり)

いわゆるのどかなユートピアだと思ったら、
異分子は即座に殺処分、管理社会上等の典型的なディストピアものなのですが、
普通のディストピアものが真実を知った主人公が管理者側に反旗を翻したり、
管理者の手の届かない自由の天地に脱出していくものなのに対し、
このお話の主人公の早季は実はずっと管理者側で、
管理者側に反旗を翻すバケネズミの行動を結局は阻止したりもしてしまっている。
最後のバケネズミの種明かしによって、
実はこのお話がディストピア小説に置ける主人公側が敗北してしまった悲しい物語であったと明かされるのが後味悪い。


491 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/20(火) 23:54:09.54
原作者を知ってること以外は全くの無からアニメ見始めたが
男子同士でキスしてたから切ろうかと考えてるけどまだ面白くなるの?

492 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/20(火) 23:58:03.10
>>491
アニメは見てないけど原作は貴志祐介の中でも結構面白いよ

494 名前:本当にあった怖い名無し :2012/11/21(水) 00:05:10.95
アニメは正直テンポが悪いような気がする。原作消化はさくさく進んでいる方なのだが、なんというかテンポが悪い。
現在12歳編なのだが、盛り上がるはずのバケネズミとの戦いの場面がなんかかったるかった。
設定とか凝っていて原作は面白く読めたんだが。

 

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