平清盛/第44話「そこからの眺め」

207本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 14:29:51.91
大河ドラマ『平清盛』の重盛の死に方が後味悪かった。

【事前知識】
平重盛は、平清盛の長男。
優秀で文武両道に優れ、穏やかな性格で貴族の信頼も集め、内大臣として活躍。
清盛の後を継ぎ平家の棟梁となるものの、母は元服前に死亡、
唯一の同母弟・基盛も夭逝し、後ろ盾はなかった。
更に義兄・藤原成親が平家打倒を目論み、
流罪となった先で殺害されると、政治的な立場も危うくなってしまう。
最終的には42歳で病となり、父・清盛に先立ち死亡する。


208本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 14:31:26.46
病に倒れた重盛。
彼のもとに後白河法皇が見舞いに来る。
起き上がることすら出来ず、やつれ果てた重盛を見て、
さすがに憐れと思ったか、法皇は彼の両手を取る。
「病の我が身に触れるなど…」と弱々しく言うものの、
手を離す力すらない(ちなみに史実ではこの二人、男色関係だったりする)

「今のうちに、言いたいことがあれば申してみよ」という後白河。
そこで重盛は、父・清盛入道のことを頼む。
「我が父の国づくりを見守ってほしい。今までのように仲違いせず、共に歩んで欲しい」
というような内容。
清盛と後白河は政敵同士で、平家の棟梁でありながら、
院の近臣でもある重盛は度々板挟みとなり、心労を重ねていた。
「あいわかった。約束しようぞ」と答える後白河。安心したように微笑む重盛だが…


209 本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 14:32:44.83
「ただし…これに勝ったらの」と後白河は双六の盤を布団のそばに置く。
楽しそうに駒をすすめる後白河。
重盛は、これに勝たねば平家の未来はないとばかりに、
弱り切った体を起こし、サイコロを振る。

しばらく経った時、清盛が見舞いに来る。
重盛の寝所に足を踏み入れた時、彼が見たのは正に地獄絵図だった。
「ほうれ、もっと良い目を出さぬと負けてしまうぞ…平家の安泰は望めぬぞ」
その言葉に、一生懸命にサイコロの入った
ツボを両手で支えて振る重盛。
「何をしておる!」と叫び、法皇から守るように重盛を抱きしめる清盛。
それを見た後白河は笑い始める。

「ちょうど40年前じゃ。そなたと双六をした」


210 本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 14:34:15.32
40年前。重盛が2歳の頃、
11歳の後白河法皇(雅仁親王)は、賭けで身ぐるみ剥がされ、
それを見つけて入れてくれた清盛の館で、双六をすることになった。
ちょうどそこへやって来た幼い重盛(幼名・清太)を見て、
「そなたが負けたら、この清太をもらう」と言い出した。
逆らうわけにも行かず、双六を始めたものの、
あと10目出さねば負けてしまうという状況にまで追い込まれた清盛。
どうか許してくださいと土下座するも、雅仁は許さない。

そこで、幼い清太がサイコロを振り、見事6と4の目を出した。
「幼子といえど、容赦はせぬ!」
腹を立てた雅仁は、双六の盤を清太に向かって振り上げる。
今重盛を守っているように、その時も清盛が清太を抱きしめ、
「この先清太に害をなすというなら、その命貰い受ける!」
と雅仁に刀を向けたのだった。


211 本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 14:42:17.76
「親子の絆など、脆いもの」と吐き捨てた40年前の法皇。
命の炎がつきかけている現在の重盛にも、酷い台詞を吐く。

「そなたの身は、そなたが守るしかないのじゃ。
 母に死なれ、弟に死なれ、父は修羅の道を往くもののけ。
 そなたは一人で生き、一人で死んでゆくのじゃ!
 生まれた時から、そう運命められておるのじゃ!」

聞こえないように必死で重盛の耳をふさぎ、
「立ち去れ!」と思わず叫んでしまう清盛。
しかし、相手が法皇と思い出し、
小さな声で「お帰りくださりませ…」と丁寧に言い直す。
その姿に、笑いながらも涙をポロリと流す後白河。
狂ったような笑い声を上げて、去っていく。


212 本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 14:45:44.56
清盛の腕の中で、重盛は弱々しく
「疾く…死なばや…早う…死にとうございます…」とつぶやく。
その言葉に、ますます強く抱きしめる清盛。
それから一ヶ月後。重盛は死亡する。
悲しみにくれる一門を、「今は悲しんでおる時ではない」と清盛は励ます。

しかし…後白河院は、重盛の治めていた越前の国を没収してしまう。
その旨を伝える書状を、思わずグシャッと握り締める側近・盛国。
治めていた国さえ奪うその行為に、清盛の怒りが爆発。
暴走した清盛は、反平家と思われる公卿を次々に解官し、
更に元凶・後白河法皇を鳥羽の離宮に幽閉してしまう。

最終的に重盛の願いは届かず、
朝廷と平家の均衡を保っていた彼の死によって、
清盛は更なる闇へ落ち、平家一門は滅びの道へ突き進んでいく…

なんというか他キャラに比べて救いがなさすぎた。
このドラマの重盛は後味悪いエピ他にもあるんで、また書く。


214 本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 15:13:57.72
今やってる大河は平家方を悪役として描きすぎな気がするんだよなぁ
一応主人公サイドだというのに

221 本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 19:25:12.72
主人公ダークサイド堕ち+滅亡確定じゃ
視聴率が低迷するのも無理ないよなぁ。>平清盛
主人公が悪役+中途で滅亡というネタでは、かつて「国盗り物語」があったけれど
あれは「自らは滅びても野望を継ぐ者がいる」
(斎藤道三→織田信長→羽柴秀吉)という構造で絶望を感じさせなかったし。

222 本当にあった怖い名無し:2012/12/17(月) 20:47:03.58
>>221
大河も清盛の望んだ武士の世は
友人の息子である頼朝が実現するってのが落としどころみたいだけど。

 

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