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3471/2:2012/12/23(日) 17:45:21.72
小松左京「宗国屋敷」うろ覚え。

宗国(ソウコク。ムネクニではない)は広い庭に囲まれた茅葺きの家に、
たまとゆきの二人の美女と下男の作造と暮らす。
と言っても、週末の二日を過ごすだけだが。

たまとゆきは透き通るような肌をした美しい娘で、宗国に献身的に仕えている。
宗国は曾祖父の遺品の日記に感銘を受け、安らぎを求めて古き良き日本の暮らしを再現したのだ。
(これは皆偽物だ…しかしこの私が作ったものだ!)

ある夜、庭に出た宗国に話し掛ける声があった。
「お逃げなさい。もうすぐ追っ手がまいります。ひどい剣幕でございますぞ」

「作造!警報装置はどうなっている!」
間の悪い事に、数日前に大鹿の群が林を突っ切って警報装置の電線をずたずたにしたので、
修理するため電源を切っていたのだ。
違い棚のレーダーを見ると、屋敷はすっかり取り囲まれている。
「たま、ゆき!お前たちだけは手放さぬぞ!」
屋敷を抜け出した宗国たちだが、照明弾で目が眩んだ隙に消音パトカーに取り囲まれてしまった。
そして、消音ホバークラフトからけばけばしい中年女と恰幅のいい中年男と肉食系美少女が下り立った。

「宗輔!お前という子は、大学生にもなってこんなママゴト遊びなど!」


3482/2:2012/12/23(日) 17:46:25.26
「まったく汚ならしいあばら家だこと!なぜお友だちのように、
 エアカーレースや宇宙生物狩りをやらないの!」
中年女…宗輔の母親にして元世界連邦宇宙庁長官夫人は、
19歳の宗輔の顔をひっぱたいた。
「旦那様…」「宗国様…」
たまとゆきは気遣わしげにつぶやいた。

「まあ、名前まで老人趣味に変えてしまって。あたしを満足させられないくせに、
 成人向けアンドロイド…ダッチワイフなんかと!」
宗輔の婚約者である肉食系美少女は、警官から取り上げた光線銃で
二体のアンドロイドと召使ロボットの作造を焼いた。
宗輔は失神した。

「おばさま、安心なさって。あたしこんな事で宗輔さんを捨てたりしないわ。
 だって、男を男らしくするのは女の役目ですもの」

中年男…宗輔の亡父の弟は顔を輝かせて、義姉に二人を早く結婚させることを勧めた。
三人は宗輔を引きずってホバークラフトに乗せ、意気揚々と帰っていった。

種明かしをすると、警官隊の最年長者が、宗国に同情して逃げるように勧めたのでした。

 

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