金田一少年の事件簿/邪宗館殺人事件(天樹征丸・さとうふみや)

391本当にあった怖い名無し:2012/12/26(水) 01:35:09.62
ノベル版の金田一少年の事件簿より、『邪宗館殺人事件』

6年前の軽井沢にて4人の天才少年少女(文学少年・ヴァイオリニスト少女・画家少年・プログラマー少年)と
彼らの里親と仲良くなった金田一は、数日間だけその家族が住む別荘に泊まる
ある夜里親には内緒で子どもたちだけで近くの廃墟へ肝試しへ行くが、
文学少年とペアになり先へ進んでいく途中で床が抜けて落下、金田一は足を挫いてしまう
一人で金田一を連れて行くのは無理だと判断した文学少年は、他の3人の力を借りる為に呼びに行く
その間、金田一は謎のうめき声を聞いたりローマ字で名前が書かれているリュックを見つけたりするものの、
余りにひどい捻挫だった為4人に助けられて廃墟を後にし、この出来事はうやむやとなってしまう

それから6年後の現在、高校生になった金田一は部屋の掃除の最中に6年前の軽井沢で起きた、
餓死した遭難者の死体が発見されたという記事を偶然見つけた
その死者の苗字は、6年前に見たリュックに刻まれていた名前と同じ読み方であり、場所も廃墟から近い事から、
時期的にもあの時のうめき声は生前の遭難者の声であった可能性が極めて高かった
この事故は実は殺人事件ではないのか?
そう瞬時に判断した金田一は、当時買った旅行ガイドを片手に、再び軽井沢のあの別荘へと赴く

6年ぶりに訪れた別荘では、昔よりさらに才能を開花させた4人との再会を楽しむ
しかしその翌日、廃墟で文学少年が死体になって発見された
警察が呼ばれて犯人を捜す際、文学少年の日記から
6年前の遭難者を餓死させた犯人を文学少年が見ていた事が発覚する

犯人の目星がつく前に、今度は里親(義父)が自室でコーヒーに入ってたトリカブトの毒で死亡していた
パソコンで遺書が書かれており一度は自殺だと思われるものの、
金田一は一見密室に見えるトリックを見破り、殺人事件だとわかる


393本当にあった怖い名無し:2012/12/26(水) 02:07:11.17
この一連の犯人は、ヴァイオリニスト少女だった
ヴァイオリニスト少女の家族は、昔ある旅行ガイドの特集に組まれていた『食べれるキノコ』の記事で、
毒キノコが誤って「食用キノコ」と紹介されていたのを信じてしまい、
たまたま食べなかった少女を残して全滅していた
そしてこのキノコの特集の取材を受け、毒キノコを「食用キノコ」と紹介した人物が里親(義父)だったのだ

里親(義父)は毒キノコを「食用」と紹介していたのをネタに、遭難者(確か記者)から強請られてた
そして口を塞ぐ為、遭難者の両足の骨を折って廃墟に監禁、餓死させた
(因みに里親(義父)は文学少年に見られていた事を日記の内容を聞くまで知らなかった)

金田一がたまたま持ち込んだ古い旅行ガイドが6年前のもので、
食用キノコと書いたのが里親(義父)だったことを知ったヴァイオリニスト少女は、
仲が良かった文学少年に
「6年前の記事を読んだ、里親(義父)は人殺しだった」と話す
文学少年はそれを聞いて
「僕も知ってる、昔の事だからもう忘れた方がいい」と答えた為、
ヴァイオリニスト少女はカッとなってしまい、たまたま近くにあったハンマーで文学少年を撲殺してしまう
そしてその後、本当の家族の復讐として里親(義父)を毒殺したのだ

犯人を当て犯行の真相を知った金田一は、ヴァイオリニスト少女に真実を話す

文学少年が知ってた『6年前の記事』は
遭難者餓死事件の新聞記事の方で、旅行ガイド(食用キノコ)のは知らなかった
文学少年は里親(義父)が遭難者を監禁するところを目撃していたが、
元々里親(義父)に恩を感じていた事もあり、
「昔の事だからもう忘れた方がいい」と発言したのだ
(ヴァイオリニスト少女が話した『6年前の記事』は旅行ガイドの方で、新聞記事の方は知らなかった)
つまり『6年前・記事・人殺し』のキーワードが偶然一致した勘違いによる悲劇だった
ヴァイオリニスト少女は半狂乱となって暴れて、その後気絶
意識が戻り警察に逮捕されるまで放心状態となってしまう


394 本当にあった怖い名無し:2012/12/26(水) 02:18:07.36
いくつかの偶然が重なり金田一がこの軽井沢に来なければ、この悲劇は起きなかったはずなのに
帰り道に金田一は美雪にそう告げて泣いた

たまたま見つけた記事から殺人事件に発展しちまったから、後味悪かった

因みにこの時に登場したプログラマー少年、不定期連載するようになった漫画の方で、
別件の殺人事件の犯人となり逮捕されてる
さすが死神

 

金田一少年の事件簿 邪宗館殺人事件  マガジンノベルス
金田一少年の事件簿 邪宗館殺人事件
マガジンノベルス