ホーム » 小説 » 小説/は行 » フランケンシュタイン(メアリー・シェリー)

5591/3:2013/01/04(金) 05:16:52.53
船で北極探検を行なっていた青年は、氷上にてAという名の男性を見つけ保護した。
Aはわけあって犬ぞりでここまできたのだが、
過酷な環境の中で犬たちが次々と死に、ついには割れた氷の上に一人取り残され難儀していたのだという。

衰弱死寸前だったAは船の中で数日眠り込んでいたが、目覚めた後に、人を追ってここまできたのだと言った。
こんな未開の地に人が、と青年は不思議がったが、そういえば少し前に謎の人影を見ていた。
初めは見間違えたのかと思えるほどに奇妙に巨大な影だったが、動きはたしかに人間のものだった。
Aの追う相手こそがその巨人であるようだった。

青年は、自分がここにまで探検にきたのは未知なるものの発見のためだとAに夢を語った。
極寒の地の旅の中で乗組員は次々と死んでいったが、それでもみなロマンのために一致団結していた。
それを聞いたAは、未知のものそ追うという野心は人から全てを奪う、やめるべきだと諭し、
全てを失ったという自らの過去を語った。

Aは裕福な家で育った。親が引き取った孤児で、後にAの婚約者となる少女や、
幼馴染の少年と仲良く暮らし、父の書斎で自然科学について学んでいた。
母の死をきっかけに生命への興味を深めたAは家を出て大学で教えを請うようになった。
昼は講義に出る一方で夜は墓場を荒らして死体の観察を行ううち、Aには人の命のからくりがわかるようになった。
Aは自らが組み立てた論理のもと、墓場から死体のパーツを盗みそれらを縫い合わせ、「人造人間」の制作を行った。
継ぎ接ぎの人造人間は2メートル40センチほどの巨体に仕上がった。
人と称するには巨大すぎたが、試作品とは洗練されないが故に
どんなものでも大きくなるのが世の常だから仕方ないと思い、Aは人造人間を起動させた。

醜い人造人間は目覚めた瞬間にAを殴り飛ばし、そのまま失踪してしまった。
Aが目覚めると、Aに会いに来た今では青年になった幼馴染が横で心配そうにしていた。
血肉と機械の散乱したあの研究室はなんなのだと問い詰める幼馴染をはぐらかしつつ、
あの人造人間はどこにいってしまったのだとAは困惑した。


5602/3:2013/01/04(金) 05:17:09.99
人造人間はAの故郷へと渡り、Aの弟を殺してしまった。
Aの弟への殺人疑惑がかけられたAの家の使用人は死刑に処せられた。
故郷に戻って人造人間と対面する事になったAは、何故そのようなことをしたのかと問い詰めた。

人造人間は目覚めてすぐ、発作的にAを殴り倒し、寒さから本能的にAのコートを羽織り、
わけもわからぬまま方々を歩き続け、どこででも化物だと攻撃を受けた。
ある時に池を覗きこんだ人造人間は、自分の姿が他の人々は大きく異なって醜いものであり、
そのせいでこんな苦しい日々を送っているのだと知り、自らを恥じるようになった。
人気のない山奥で暮らすようになった人造人間は、それでも人恋しくて山中の一軒家の近くに住み着いた。
その家には盲目の老人と、その子供二人がおり、どこかさみしげな生活をしていた。
しばらくすると、その家に異国人の女が訪ねてきた。
どうやら異国人はその家の息子の恋人で、わけあって離れていたがやっと再会ができたようだった。
さみしげだった一家はたちまち明るさに満ち、人造人間は彼らの暮らしに憧れるようになった。
一家は異国人に言葉や習慣など生活に必要な全てを教え、覗き見していた人造人間もそれらを習得した。

人造人間は老人一家の生活を覗き見するうち文字を読めるようになったので、
Aのコートのポケットに入っていたノートを読むことにした。
それは日記帳のようなもので、人造人間は、自分がAという男に造られたことや、
Aがどんな人物でその故郷はどこかといった事を知った。
「我が創造主よ、何故おれを造った!? おれは醜くそして孤独だ」
勝手に覗き見していただけだが老人一家を自分の家族のように思い始めていた人造人間は、
優しげな彼らなら自分を受け入れてくれるかもしれないと思い、
まずは盲目の老人に接触した。目の見えない彼は優しく接してくれたが、
息子たちは人造人間を見た瞬間に、ただ話していただけなのに老人を襲っていると勘違いして攻撃してきた。
息子の攻撃から逃げた後に人造人間は泣き、創造主であるAを憎み復讐のために彼の弟を殺した。


561 3/3:2013/01/04(金) 05:17:28.69
「おれは孤独だ。孤独によっておれは殺人鬼となった。人類はおれにとって敵でしかない
 だがあんたには俺を救うことができる。もうひとり造ってほしいのだ、おれのようなおぞましい姿をした女を」
神がアダムとイヴの一対の人間をつくったように、Aにももう一人の人造人間をつくる義務がある、
それを果たさなければお前の他の家族も奪う、人造人間に脅され、Aは女の人造人間を造ることとした。
伴侶を得ることができれば、もう誰も殺さず人類とは接触せずに、どこか人のいない土地で暮らすと人造人間は言う。
しかし、出来上がった女の人造人間は攻撃本能にとりつかれたような存在ですぐにAに襲いかかり、
次には男の人造人間に襲いかかり、結局男の人造人間に倒され動きを止めることとなった。
人造人間は、脅迫者である自分を殺すために敢えて凶暴な女を造ったのだろうと怒り狂いながら出ていった。
女に怪我を負わされた体で時間をかけてAがやっと家に帰ると、既に父も婚約者も幼馴染も殺されていた。
Aは復讐のために人造人間を追うようになった。
人造人間はその事を楽しむようにわざと痕跡を残しながら逃亡を重ね、二人はやがて北極にまで至ったのだった。

介抱されたものの衰弱が深刻なため、息も絶え絶えにAは青年に全てを語り終え、
それでも尚、人造人間を追うためにボートを一艘貸してくれないかと頼んできた。
もう何も持たない自分には復讐の道しかない、そう言い続けながらAはやがて亡くなった。
その姿を見て青年は、この峻烈な環境の中でこれ以上は無理だと見切りをつけ、
探検をやめて道を引き返そうと船員らに指示を出した。
ほっとしながらも割り切れない思いも抱え微妙な表情をしていた船員たちは、奇妙な雄叫びを聞いた。
船の外を見ると、巨大な人間が遠くに見えた。雄叫びは人造人間の泣き声だった。
「わが創造主は死んだ!おれにはわかる…感じるのだ!おれを置いて創造主は死んだ!
 もうだれもいない、これでおれはひとりぼっちだ!しかし…まもなくこの苦しみも終わる…」
船が引き返す中、やがて人造人間の声は聞こえなくなり、その姿も吹雪にかき消されて見えなくなった。


562 本当にあった怖い名無し:2013/01/04(金) 10:14:24.38
フランケンシュタイン?

 

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