銅の器(ジョージ・フィールディング・エリオット)
-
563:本当にあった怖い名無し:2013/01/04(金) 10:19:59.54
- G・F・エリオット「銅の器」うろ覚え
フランス統治下のベトナムで、覇権を狙う中国人がフランス人将校を捕らえ、
ある情報を吐かせようと傷跡が残らない拷問にかけている。将校の口が固いので、次の手段として将校の愛人を引き出す中国人。
愛人は何も知らないしフランスの法律が黙っちゃいない、と叫ぶ将校に中国人は、
愛人は中仏混血だからフランスの法律には守られない、とせせら笑う。裸に剥いた愛人を大の字に縛り付け、鉄製のベルトつきの銅の鉢、
鼠を入れた籠、熾った炭を満たした火鉢を並べた一味。
裏切り者にはならないで、私のことは忘れて!と健気に叫ぶ愛人。中国人は銅の鉢に鼠を入れ、愛人の腹に伏せると鉄製のベルトを一周させてきつく締め、鍵をかけた。
そして鉢の底に熾った炭を積み上げ、将校に情報を吐く気はないかと訊ねた。
愛人は悲鳴をあげた。愛人が動かなくなり、鉢の縁から血が一筋流れたのを見た将校は
火事場の馬鹿力というやつで一味を半殺しにした。
と同時に、フランス駐留軍が踏み込んできた。
中国人は鍵をもったまま、窓から飛び降りて自殺した。愛人は死んでしまったのだろうか?
まだかすかに動いている…心臓の鼓動…ではない、脇腹がおかしな具合に動いて…
鼠が脇腹を食い破って逃げ出した。
狂った将校は愛人の死体を抱きしめた。終。
-
577:本当にあった怖い名無し:2013/01/05(土) 04:09:07.17
- >>563
良いね、この話。