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607本当にあった怖い名無し:2013/01/05(土) 21:28:32.91
星新一の「あと五十日」

ある日主人公は陰気な得体の知れない男に「あと五十日ですよ」と声をかけられる。
一緒にいた同僚はそれを見れなかったらしい。

幻覚かと思う主人公は同じ人物に次の日「あと四十九日でございますよ」と言われる。
何がだ、と聞き返す主人公に男は「色々整理があるだろうから教えて上げているのです」と答える。
人間ドックに行って何もなかった事を伝えても、「これは注意ではなく宣告です。医者に事故が防げますか」と答える。

神社や寺に行きお祓いをしてもらうも毎日カウントダウンし、「あと四十日です」と男は現れる。
ヤケになり自殺してしまおうとしても、体が言うことを聞かず、実行できない。

これは本格的に死神だ、と生命保険を増額し、家族の将来のためと蓄えていたお金をつかい海外で豪遊する。
男は海外には現れないが、帰国するとまた現れ、「あと十三日です」と宣告する。
帰国して酒浸りになる主人公を家族は変に思う。問いただされた主人公は死神らしき男に死の宣告をされたと答える。
妻は取り乱し、息子は深刻な顔をする。しかし主人公は死ぬ前にするべきことがある、と立ち直る。

次の日から職場で部長の仕事の引継ぎをはじめ、部長としての心構えなどを部下に伝える。
一方で社長には部下がどのようにごまかしをしているかなどを伝える。後々恨まれるだろうがどうせ死ぬのだ。

いよいよ死神らしき男は「あと四日です」と最後のカウントダウンをはじめる。
主人公は「じたばたしないよ、お前はそれをみたかったんだろうがね」と男に返す。
家族には「私はかつて浮気を何度かした、この間の豪遊でも好きな事をした」
「わたしも浮気をしましたわ」
「実は僕はお父さんの財布からお金をくすねたことがある」と死ぬ前の暴露をしあう。


608本当にあった怖い名無し:2013/01/05(土) 21:29:13.33
「あと一日です。つまり、明日の夜中までです」
主人公はもうやり残したことはないか、と見返り、友人への借金の証書を焼き捨てる。
睡眠薬を飲み、それでも目が冴えて、ふと時計を見るともう夜中の三時だ。
「自分はもう死んでいるのだろうか」と思うが当然死んでいない。

「第一日目でございます」

どういうことだ、と詰め寄る主人公に男は
「これからどうなさるのか、それが興味の的でして」と返す。
死神ではなかったのか、という主人公に、
「私は一度も死神だと言った覚えはないですよ。自分はもっとたちの悪い存在でして。
 もう出現はしませんよ、後は遠くから見守らせて頂きます」と返す。

「まったく、たちの悪い……」とつぶやき呆然とする主人公を見ながら男はニヤニヤしていた。

 

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