モビールに艦隊が入港したとき(パトリシア・ハイスミス)

6091/2:2013/03/21(木) 13:26:17.79
パトリシア・ハイスミス「モビールに艦隊が入港したとき」

高校を卒業したばかりの主人公は、友達と二人で仕事を探してモビールという港町に出た。
ルームシェアしてとりあえずウェイトレスになり、
軍需工場の女工になる日を夢見て週15ドルを実家に送金した。
主人公と友達は水兵(ただしイケメンに限る)ととっかえひっかえデートを楽しんだ。

主人公が失業するのと前後して友達の結婚が決まった。
家賃が払えなくて困っている主人公に、恋人の水兵が
下宿屋を兼ねたホテルを紹介して数日分の宿代を払ってくれた。
…と思ったのは無知な主人公だけで、実際は淫売宿に売られたのだった。
彼と婚約している、と主張する主人公を宿の女将は嘲笑い、水兵を次々送り込んだ。
抗議した主人公はもっとひどい場所に送られ、もっとひどい客を取らされた。
この懲罰期間を終えて、主人公は搾取される生活に慣れていった。

元のホテルに戻った主人公に、水兵とはひと味違う真面目な農夫の客がついた。


6102/2:2013/03/21(木) 13:27:25.99
彼は礼儀正しく、主人公に指一本触れもせず、穏やかに話し掛け、時々プレゼントをくれた。
主人公は彼のプロポーズを受け入れ一生尽くす事を誓い、実際にかいがいしく尽くした。

しかし、彼は奴隷が欲しいだけだった。
指一本触れなかったのは、見かけ倒しで夫の務めを果たす事ができない体のせいだった。
そのくせ、主人公を汚らわしい女と罵り、隣家の主人に笑顔を向けたからと殴り、
勝手に買い物に出たからと血が出るまでベルトで殴った。

…今日も彼は昼酒呑んで高いびき。
主人公は彼の鼻と口を濡れタオルでふさぎ、紐で縛って固定した。
そして、老犬を安楽死させるために買ってきたクロロホルムをたっぷり注いだ。

主人公は久しぶりに花柄のドレスを着て口紅を引き、トランクを下げてバスに乗った。
町に着いて移動遊園地に入った主人公の肩を警官が掴んだ。
「御亭主は生きている。告訴はしないそうだ。我々はただ、君を連れ戻すよう頼まれただけだ」
主人公は悲鳴をあげ続けた。終。

やっと泥沼から抜け出したと思ったら、違う泥沼にはまっただけ…


623 本当にあった怖い名無し:2013/03/21(木) 21:29:15.25
ハイスミスって後味の悪さもさることながら
結末に至るまで(特にキチってる部分)の描写が重苦しいから読んだ後もの凄い疲れる

 

11の物語 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
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