ホーム » 小説 » 小説/あ行 » 11037日目の夫婦(吉村達也)

912本当にあった怖い名無し:2013/04/03(水) 19:18:55.32
誰の短編だったか忘れた

定年で会社を去る主人公は贈って貰った花束を抱えながら帰宅する、
家は妻がいる筈なのに灯りもついておらず真っ暗
「長年働いて来た主人の出迎えもないのか」と立腹しながら家の中を探すと、
妻が首に縄をくくり自殺しようとしている

妻が言うには
主人公は仕事人間で横柄な人間過ぎてこれからの老後を一緒にやってく自信がない
でも主人公は世間体を気にして離婚をしてくれないだろう
私は死を選ぶしかない

主人公の説得と反論(こっちは必死に働いて来たのになんだそれは!等)も虚しく、
妻は考えを変える気は無いようだった

電話して救急車を呼ぶにしても、その間に首を吊った人間がもつわけがない
体を支えるにしても、体力の無い自分が長く続けられる筈がない
縄を切るにしても、包丁の場所さえ知らない
妻が足を離すまでの間、色々なことを考える主人公

結局主人公が選んだ行動は、その場で目を瞑ることだった
長い静寂の中、主人公の耳に聞こえてきたのは子供の様な笑い声
妻が床に座り込んで泣きながら笑っている
自殺は狂言で、妻は夫を試していただけだった
「えへへ、えへ…えへへ…うああ、うおあああああああ!!!!!」
笑い声が獣が吠えるような慟哭に変わって行くなか、
主人公は自分のこれからがどうなってしまうのか考えていた

 

踊る少女 (角川ホラー文庫)
踊る少女(角川ホラー文庫)
家族の肖像
家族の肖像


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...