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924本当にあった怖い名無し:2013/04/04(木) 18:50:22.17
民話の「月の夜晒し」思い出した。

まじめで実直な夫と仲むつまじく暮らしていたが、
どういう訳かだんだん夫がいやになってきた。
どこがどうということもないのだが、顔も見たくないような嫌さなのだと。
とうとう思いあまった妻は占い婆さんをたずねる。
「人に見られぬよう、月の良い晩を選んで糸を紡ぎ、機を織り、
 布を晒し、着物に縫い上げて、夫に着せろ」

その通りに出来上がった蒼白い着物を着て帯を締めるなり、
夫はそのままふらっと出ていってしまい帰ってこなかった。
さすがに気味悪く思った妻は再び占い婆に聞くと
「月の良い晩の丑満時、六道の辻で待て」


925本当にあった怖い名無し:2013/04/04(木) 18:52:06.41
そして月の夜、着せてやった白い着物のままの夫が細い細い声で
「月の夜晒し 知らで着て 今は夜神の共をする」
と歌うようにつぶやきながら、妻の側を通り過ぎ
月の光に紛れ込むように遠くなっていった

解説文の
「ひと月のうちでも月の良い晩は幾日あるのか。
 そんなにも長期間、嫌だと思い続ける心情たるや云々」
で改めてゾッとした
もちろん充分な灯りなど無い時代、人知れず月明かりだけで
作業できるほどの皓々とした「月の良い晩」なんて。

 

読んであげたいおはなし(下): 松谷みよ子の民話 (ちくま文庫)
読んであげたいおはなし(下)
松谷みよ子の民話 (ちくま文庫)


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