夫婦の絆
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226:本当にあった怖い名無し:2013/06/08(土) 18:32:57.43
- よく似た短編小説を読んだことがある
作者名も題名も覚えてないから間違えてるところもあるかもしれないけど一人暮らしのおばさんA子が新聞を読んでいるとある記事に目が止まる
A子はかつて普通に結婚して一人息子が生まれ、ごく普通の幸せな生活をしていた。
しかし息子が成人して間もなく事故で亡くなる。
悲しみに暮れる夫婦だったが、2人で支えあって生きていこうとする
しかし旦那はふとある疑惑を抱く
息子が生まれる前、妻と自分の知人との仲を疑っていた時期があった(A子は否定したが)
やがて息子が生まれ幸せな日々の中で忘れていたが、思い返すと息子は妻似で自分に似ていない
息子は妻と知人の子供だったのかもしれない。疑惑は膨らんでいき苦しむが、もう息子の遺体は火葬されて無く、調べてみると知人も
すでに病死していたため、血液型を調べることはできない。
だが子供が生まれたときに桐の箱に入れられてもらうへその緒からも血液型を調べることができると聞き
さっそく息子のへその緒を持ち出し検査に出す。
結果は息子の血液型は夫婦の間では生まれるはずのないものだった
激怒した夫は妻をなじり罵倒しよくも今まで自分を騙してきたと離婚を言い渡す
必死にそんなはずないと否定するが、夫は聞き入れてくれず二人は離婚する。
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227:本当にあった怖い名無し:2013/06/08(土) 18:33:34.00
- それからずっとA子は一人さみしく生きてきた
新聞の記事には出産を扱う病院や産院などに、
親に渡すへその緒は生まれた赤ちゃん本人の物を渡すよう徹底するように通達したという。
昭和30~40年代の出産ラッシュ時、いちいち本人のへその緒を保管し渡すのは面倒だと、
同じ日に生まれた他の赤ちゃんのへその緒を適当に細切れにして親たちに渡す、
という行為が頻繁に行われていたという。
今では少なくなってきたものの、衛生面や倫理的なことから完全になくそうということだった。
自分たちの息子が生まれたのはちょうどその時期だった。この新聞記事を元夫に見せ、息子が生まれた病院へ行って調べてもらえばもしかしたら・・・
しかし今更真実を知ったところで壊れた夫婦の信頼が戻るわけでもない、
あの時夫に自分の事を少しでも信じてくれる気持ちがあったなら、
その時に二人で病院に確認に行くなりできたはずだ。
結局自分たち夫婦の絆などそれだけのモノだったのだろう。
A子はため息をつき、新聞を静かに畳んだ。
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229 :本当にあった怖い名無し:2013/06/08(土) 19:13:14.45
- >>227
わーじんわりする話だね。
読みやすかった、乙。
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249 :本当にあった怖い名無し:2013/06/09(日) 13:01:51.60
- >>226-227
その他の赤ん坊の臍の緒を適当に渡していたってのが事実を元に書いたのなら
現実に赤の他人の物を自分とわが子の記念として大事にしている親がいるってことになって
そちらのほうが後味悪いな