ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その140 » アウターゾーン/第39話「無情の街」(光原伸)

9041/3:2013/07/06(土) 21:40:20.16
漫画「アウターゾーン」より、39話「無情の街」

近未来の、とある地球人の移民星での話。
厳しい環境と徹底管理された生活環境、そして人口密度の高さから
そこに暮らす人間たちは人間性を失ってしまっていた。
目の前で老人がひったくりにあっても、また交通事故が起きても
「自分には関係ない」と我関せず。
そんな状況が当たり前の世界だった。

主人公のリサはそんな環境にどうしても馴染めなかった。
カウンセリングを受けに行っても、カウンセラーから
「他人に干渉しないのは人間として当然。君は間違っている」と言われるばかり。
(自分の考えが間違っているのか)
そんなことを考えながら、リサは勤め先の工場で上の空で作業をしていた時、
手元が狂い、目の前のローラーに服の袖が挟まれてしまった。
このままでは体が巻き込まれてしまう。慌てて助けを呼ぶが、
他の作業員たちは見向きもしない。
もうダメか、と思ったとき、一人の男性が間一髪彼女を救出する。

その男の名はルークといった。
リサが「なぜ自分を助けたのか」と尋ねると、
ルークはただ「それが当然だと思ったから」と答えた。


9052/3:2013/07/06(土) 21:41:06.13
リサは、同じ価値観を持つルークに次第に親しくなり、同時に
この世界にはない「やさしさ」を持つ彼に愛情を感じるようになっていった。
ある日、リサはルークに愛の告白をし、「愛してると言って」とお願いをする。
しかしルークは「その言葉だけは言えない」と突っぱねる。

何故かと理由を問い詰めるリサに、ルークは真実を語った。
自分が「アンドロイド」であること。
そして、自分の製造過程で思考回路に「感情」というバグが発生したことにより
廃棄処分となるところを逃げ出してきた、ということ。
「自分には心がない、だから愛を語ってもそこには何の中身もない」
ルークはさびしげな表情でそう言うだけだった。


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その時そこへ、警察隊が
逃亡したルークを処理する為にやってきた(近所から通報があった)。
リサとルークはすぐに車で逃走、警察隊もそれを追う。
もう少しで振り切れる、というところで
警察隊の放った銃弾がリサの心臓に命中、彼女は車の外へ投げ出されてしまう。
ルークは車を反転させ、投げ出されたリサの元へ向かう。
そこへ警察隊がもう一発発射、ルークは車と共に大破する。

「あのまま女を捨てて逃げれば助かれたのに、なんで戻ってきたんだ?」
「さあ、機械の考えることは分からん」
そんなことを話しながら、警察隊はその場を後にする。

ラストシーンで、
首だけになりロボット部分がむき出しになったルークが、リサの亡骸の横で
「リサ、アイシテルヨ、リサ・・・」
と、ただ繰り返していた。

後味悪い話が多いアウターゾーンの中でも
この話だけはぶっちぎりだと個人的に思う。

 

アウターゾーン 4 (集英社文庫―コミック版)
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