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9231/2:2013/07/07(日) 20:31:12.67
大橋薫 「あなたのうしろ」

小学生の洋介のクラスで怪談話が流行っていた。
ある日同級生の女の子がこんな話を紹介した 

『小さい男の子が学校から帰る途中、女の人が毎日後をつけてくるようになったんだって
 その女の人はすごく痩せていて、目ばかりギョロギョロ大きくてただ後をつけてくるだけだったの
 それでも日ごと距離が近づいてきて・・・明日にはきっと手が届いてしまう
 男の子は怖くて家から一歩も出てこれなくなっちゃったんだって』
 
全然怖くない話だとみんなでバカにしたが、学校帰りその謎の女の正体で盛り上がる
幽霊、病院から逃げてきたアレな人、子供が好きな変人など
洋介は何となくその男の子の生き別れのお母さんなんじゃないかと思った。
そこへ洋介の母親がやって来て仲間の前でヒステリックに
「寄り道しないで真っ直ぐ帰ってきなさいと言ったでしょ!」
と怒鳴りつけ、洋介を引きずっていく。

実は最近洋介にはさっきの話のように帰り道、毎日後をつけてくる人がいた。
お母さんと全然違って、若く痩せていてとても綺麗な女の人だった
家に帰ってもお母さんはお父さんにまで怒鳴り散らしててうんざりする、
こんな怖いお母さんいらない、あの人が本当のお母さんだったらどんなにいいだろうと思う。

次の日学校であの話をした女の子に昨日の腹いせなのか、怖いお母さんのことをからかわれた
思わず自分の本当のお母さんは帰り道にそっと見守ってくれる優しくて綺麗な人だと言い返す。
すると女の子は「昨日の話と現実がごっちゃになってるの?あれ本当の話は別にあるのよ」と話してくれた


9242/2:2013/07/07(日) 20:33:49.76
『あの女の人は昔その道で子供を殺されてしまったんだって、あまりにも悲しくて信じられなくて
 病気になって死んでしまったの。でも自分が死んだことも気付かずに今でもずっと子供を探してるのよ』

その帰り道洋介は思いきって後をつけてくる女の人に自分から話しかけてみた
突然話しかけられてひるんだ様子の女性。やっぱりあの話と違って現実に生きてる人だった
期待を込めて「あなたは本当のお母さんですか」と聞こうとした時
「死ね!」と恐ろしい顔でナイフを取り出し振りかざした。
あまりに予想外のことで固まっていると
お母さんが駆けつけてきて力強く抱きしめ助けてくれた
女の人は鬼のような顔で何度もナイフをお母さんに突き刺し、
洋介はどうすることも出来ずお母さんの下で固く抱きしめられたまま
お母さんの身体が冷えていくのを感じているしかなかった。

(あの女の人はお父さんの浮気相手だった、離婚しないとボクを殺してやるって
 お母さんを何度も脅してたんだって。母さんはボクが心配で、だからあんなに寄り道を怒っていたんだ)
(ボク知らなかったんだ、本当はお母さんが誰よりも優しくて、強くて
 ボクの事を自分の命よりも大事にしていたなんて…)

それからしばらくして町にある怪談が流れだした

『女の人が夜道を歩いていると、いつの間にか男の子が後をついてくるんだって
 その道で母親を殺された男の子が悲しそうにずっと お母さんどこ…? って言いながら』

 

祈殺
祈殺


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