Threads

708Threads 1/2:2013/08/08(木) 07:20:43.51
イギリス映画「Threads」

1980年代のイギリスで、人々は普段と変わらぬ平和な日々を送っていた
若いカップルはできちゃった婚、両親は子の軽率さに頭を痛め、初夏のパブは今日も混雑している
ニュースは中東を巡る米ソの関係悪化を報じているが、人々は毎度のことだと気に留めていない

だが今回は少し様子が違った
東西両陣営とも強硬姿勢を崩さず、
事態の進行とともに国内の各自治体へ非常時体制の準備が発令される
人々は普段より多くの生活用品を買い込み、やがて店頭から品物が消え、値段が高騰し始める
反戦運動と反ソ運動のデモ隊は衝突を起こし、疎開のため都市から郊外へ向けて車の列が並ぶ
社会全体に混乱が広がっていたが、戦争がすぐそこまで迫っていると感じている人は少ない

しかし、ある日空襲警報がイギリス中に響き渡った
第一波はあらゆる電子機器を破壊し、第二波で数百万の市民が死亡、
その後も続く核の応酬で数千万が死亡した


709Threads 2/2:2013/08/08(木) 07:21:25.83
徹底的な破壊の後も多くの生存者がいたが、
そのほとんどが致死量の放射線と死の灰によって緩慢に死んでいった
さらに核の冬の訪れで太陽の光が遮られ、イギリスの気温は真冬並となった
自治体の指揮系統は分断されて麻痺し、生活用品の配給や復旧活動は遅々として進まない
軍が治安維持に出動しているが、各所で略奪や暴動が頻発して後を絶たない

それでも日を重ねるごとに生存者が組織化されていき、新しい社会が成立する
かつての数分の一の人間が数世紀逆行した技術力で農業と工業に全力を注ぎ、
わずかな産物に社会の存亡が委ねられる社会である
あらゆる物資が不足し、放置された死体が伝染病を生み、
日照不足と虫害で農業は低調、冬季の極寒が幼児と老人を皆殺しにした
次代を担う子供たちは内職に追われつつ不十分な教育を受け、片言の母国語を話している

そんな子供たちの中に、かつての若いカップルの子供がいた
多量の放射線を浴びながら幸運にも健康体で生まれてきた娘は、
母を失いながらも青年となるまで苦境の中を生き延びていた
食いつなぐため盗みを働いていた彼女は、分け前を巡るいざこざから仲間に犯されて妊娠していた
病院の廃墟で看護婦に追い返されながら出産するが、
赤ん坊は泣き声もあげず、娘はシーツに包まれた我が子を覗きこんで悲鳴をあげた


710 本当にあった怖い名無し:2013/08/08(木) 07:42:16.59
映画自体は1984年にBBCが地上波で放送したもの

広島、長崎への原爆投下40年記念の番組としても放送された
全編にわたってBGMもなく、淡々としたナレーションを挟みながら
状況の進展だけを追っていく
同時代の核戦争を扱った映画のように過剰な演出を盛りこんでないし、
逆に最近のハリウッドのような
核兵器はちょっと威力が強い爆弾みたいな扱いをしてるわけでもない
人類が鮮烈に滅亡できるわけでもなく、眠るように死ねるわけでもない

文明社会の衰退っていうある意味
一番想像したくない光景を見せつけられる映画


712 本当にあった怖い名無し:2013/08/08(木) 08:56:18.87
イギリスらしいある意味物凄くリアルな作品だな。

721 本当にあった怖い名無し:2013/08/08(木) 19:41:30.14
>>709
これ見たことあるわ
ラストで生まれた赤ん坊、ちょっとしか映らないけど
もう「肉塊」って感じだったはず

 

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