ニコラ・ルブラン

232本当にあった怖い名無し:2013/08/30(金) 09:23:17.54
フランスの科学者ルブラン(1742~1806)
セッケンの原料である炭酸ナトリウムの合成法を発明した人物

当時の炭酸ナトリウムは天然の鉱物であり、
世間での需要が高まるにつれて森林伐採などが問題になっていた。
そこで当時のフランス王立学士院は莫大な報奨金をつけて安価な製造法を募集した。
医者であったルブランは食塩と硫酸から炭酸ナトリウムを製造する理論(ルブラン法)を発明した。
この製造法についてのコンテストは
机上の空論でなく工業的に行えることを証明するのが条件であったため
スポンサーを得て工場を設立し、見事にその理論がフランス中に知れ渡ることとなった。

その2年後、フランス革命の勃発により王立学士院は潰され、スポンサーの貴族も処刑。
炭酸ソーダ工場は’御国の為’として革命政府に没収されて報奨金も反故にされた。
ナポレオン帝政期にようやく工場が返却されたが、
工場設立のための借金を返却できず苦しんでいた20年の間に
そもそもの運営能力を失っていたルブランは1806年に拳銃で自殺した。

ちなみにルブラン法では産業廃棄物として塩化水素(HCl)が大気中に拡散される為、
当時から公害問題の槍玉に挙げられており、
100年後のソルベーという人によって、さらに効率の良いエコな製造法が発明されてしまったのである。

なまじ優秀で行動力があったために財産、名誉、人望を失ってしまった秀才。