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764本当にあった怖い名無し:2013/09/13(金) 00:19:59.18
道尾秀介「ケモノ」
※ネタバレ注意

主人公はエリート揃いの厳格な家族の中で唯一の劣等生で浪人中
ある日祖母が知人から譲り受けたという刑務所作業製品の椅子の脚がぽっきりと折れる
断面にはそれを作ったSという名の受刑囚のサインと
「犬」という字が含まれる不可解なメッセージのようなものが書かれていた
ネットでSが起こした事件について調べた主人公は妙に惹かれるものを感じて
椅子の脚を持ち事件の地へと赴く
が主人公のそんな突飛な行動にも家族は何の関心も示さない

数十年前に起きたその事件とは当時18歳だったSが
祖母と父と父の再婚相手である継母Y子の三人を惨殺したものだった
しかしY子が産んだ生後一週間ほどのSの異母妹だけは手にかけることができなかったという
未成年だったこともあり判決は無期懲役だったがSは刑務所内で病死した


765本当にあった怖い名無し:2013/09/13(金) 00:20:42.50
主人公は今では中年女となったSの異母妹がいるはずの
Y子の実家を訪ねるが当然にべもなく追い返される
しかし窓からちらりと見えたSの異母妹は車椅子に乗っており
一目で重度の障害があると分かった

主人公はさらに事件の第一発見者の老人を探し当てる
老人は重い口を開き「あの人がやってたのは犬のやることだった」
「あの子は全部を背負って生まれてきたんだ」と言う
その言葉と老人の表情から主人公は全てを理解する

名家の一人娘だったY子は
職場の事故で体が不自由になったSの父を婿に取るような形で結婚した
しかし実際はY子の目当ては若く美男なSの体だった
拒めば祖母と父と自分が路頭に迷うため夜な夜なSは継母Y子の相手を続ける
やがてY子が産んだのはSの異母妹ではなくSの娘だった
そして悲劇が起きた

主人公は椅子の脚を老人に託しその地を後にして帰宅する
Sは狂気に走る前に家族と向き合ってやり直すべきだったのにと考えるが
自分もそうはできないことに主人公は気づく

家には椅子の脚が折れる直前に主人公が手にかけた
家族全員の死体が転がっているのだった

 

鬼の跫音
鬼の跫音


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