ムヒョとロージーの魔法律相談事務所/岡田勇気(西義之)
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389:本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 14:04:43.22
- 漫画『ムヒョとロージーの魔法律相談事務所』の
エピソードの一つが結構後味悪い。
うろ覚えなので間違ってるところあるかも。おおまかにあらすじを言うと、
死霊が人を殺害したり、傷つけたりする事件が起こるため、
『魔法律』と呼ばれる法律を霊に適用し犯罪を裁く機関がある。魔法律を使えるのは特殊な教育を受けた『魔法律家』のみで、
その中でも幽霊をあの世に送る事が出来るのは最高位の『執行人』だけ。
天才執行人の主人公と、その助手が次々に幽霊事件を解決していくという物語。二人は魔法律相談事務所をビルの一角に構えており、
ある時そこに二人の刑事が訪ねてくる。
なんでも、この市内で10人が連続で誘拐され、全く足取りが掴めない。
だが事件発生時の状況などから見て、霊の犯罪である可能性が高いため
魔法律家の力を借りたいとの事だった。捜査を始める彼ら四人だが、その過程で刑事の一人が霊にさらわれてしまう。
犯人の霊は3メートルもの巨大な体で、
口から無数の手を吐き出しては人間をさらっていた事が明らかになる。刑事が目覚めると、不思議な光に満ちた謎の空間にいた。
そこは『幽世』というこの世とあの世の中間の空間で、
今回の事件を引き起こした霊の腹が、幽世に繋がっており、
その力で実は60人以上も誘拐し、幽世に引き込んでいたことが判明する。
10人の行方不明者の安全を確認した刑事は、何とか幽世を脱出。
主人公たちと合流して霊と対決することになる。
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390:本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 14:11:31.42
- しかし、霊には不可解な点があった。
それは常に「サムイ」と呟いていること。
刑事はふと、10年前の事件を思い出す。10年前の冬、一人の少年が自殺した。
彼の名前は岡田勇気。
生まれつきの巨体で小学校から高校まで執拗ないじめを受けていた彼は、
誰一人頼れる友人もいない孤独な少年期を送った。
しかし高校の卒業式の日、今までいじめてきたクラスメイトたちが次々に謝罪し、住所を教えてくる。
普通ならおかしいと思うところだが、とても優しい性格だった岡田はそれを信じて
彼らに一通一通、心のこもった年賀状を送る。
しかし全てまともに届かず、宛先不明で帰ってきた。
これもいじめの一環だと彼は絶望し、真冬の池に身を投じて命を絶った。しかし罪には罰を与えなくてはならない。
主人公はあくまで冷酷に、公平に魔法律を執行した。
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391 :本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 14:12:52.65
- 場面が変わり、学校の教室で目覚めた岡田勇気。
「ここは…」
ガラッと扉が開き、クラスメイトたちが入って来た。
彼らはあの卒業式の日と同じく、泣いて自分たちの罪を詫びる。
しかし勇気は笑って「いいんだ、そんなこと」と彼らを許した。
もう一度裏切られたというのに、生前から優しかった彼はいじめっ子たちを責めない。「そうだ、一緒にジェットコースター乗ろうぜ」
「うん、仲良しになった証拠ね」
クラスメイトたちが勇気を教室の外へ誘う。
そこには廊下ではなく、なぜか遊園地のジェットコースターがあった。
一緒にジェットコースターに乗り込む勇気。
「楽しいなあ、楽しいなあ」と笑いながら、ジェットコースターは下へ勢い良く滑りだした。ここで場面が切り替わる。
優しい笑顔の勇気は悪霊の勇気。
ジェットコースターは骸骨と骨の列車で、クラスメイトなどいない。そう、主人公が執行したのは『魔滑車』という刑だった。
勇気が見ていたクラスメイトはただの幻覚。
これは、幸せな幻覚を霊に見せて骨の線路の上を地獄へと滑り落とす刑なのだ。
勇気は罪の報いとして、これから永遠に地獄で苛まれることになる。
彼を苦しめた人間たちは裁かれないままなのに。彼の幸せそうな笑い声が地の底へ消えていくのを見届けて、
四人はやるせない思いにとらわれていた。
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392 :本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 14:49:04.47
- >>389-391
うわぁ、これは後味悪すぎる
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393 :本当にあった怖い名無し:2013/09/27(金) 14:55:56.62
- ムヒョとロージーは人が霊になった経緯とか後味悪すぎるんだよなあ