ホーム » 小説 » 小説/さ行 » 千夜一夜物語/アジズとアジザーの話(リチャード・F. バートン)

6151/2:2013/10/05(土) 10:06:41.22
アラビアン・ナイトの一挿話

美少女の従妹と婚約中の美青年、妖艶な美女に一目惚れするが、
美女は窓から彼を見下ろし意味ありげな身振りで謎をかけるだけで引っ込んだ。
青年は馬鹿正直に従妹に話し、謎を解いてもらった。
曰く、人差し指をくわえたのは「あなたが欲しい」、
その指を胸の谷間に埋めたのは二つの乳房が日数を表すから「二日後に来い」

美女はそれから何度も謎をかけ、青年の本気度を確かめるように焦らしに焦らした。
五本の指を見せてから手鏡を袋にしまい、赤いハンカチを揉んだのは
「五日後の夕方、染物屋に来い」
やっと女の屋敷に招かれたが、ご馳走を食べすぎて
床入りの前に寝てしまった青年のへそに塩を詰めたのは
「調味料を利かせなければ食えたものではない最低の男」
同じ失態をもう一度やった青年の横に、太い骨と軽い毬、二枚の銀貨と一振りの短刀を置いたのは
「図体ばかりでかくて空っぽな馬鹿。銀貨のように目を光らせて起きていないと今度は殺す」

従妹のおかげで試練を乗り越えた青年は美女にのめり込み、昼夜を問わず入り浸った。
従妹は悲しんでやつれたが、青年は全く気づかない。
親の言いつけで婚約したが、子供の頃から一緒に暮らしていたので
従妹を異性として意識した事はなかったのだ。


6162/2:2013/10/05(土) 10:09:05.08
ある日いそいそと美女の屋敷へ向かった青年は途中で誘拐されて、
彼に一目惚れしたという令嬢と結婚させられた。
「お嬢様はこのままでは恋患いで死んでしまいます、どうか人助けと思し召して結婚して下さいませ、
 結婚して下さらなければあなた様を殺します」

屋敷は豪奢だし令嬢は美人だし命は惜しいし、という事で結婚したが、
屋敷の門は年に一度しか開けないからと軟禁され、
清純そうな令嬢は結婚したのだから遠慮は無用とばかりに青年を求めまくる。

一年後、久しぶりに外に出た青年は美女の屋敷に向かった。
美女に質問攻めにされた青年はまた馬鹿正直に、
「脅迫されて結婚させられたんだ、幸い美人だからよかったけど」と答えた。
私という者がありながら!と怒り狂った美女は青年のアレをチョン切り、屋敷から叩き出した。

こんな体で令嬢の所には戻れないので実家に帰ると、父も従妹もすでに病死していた。
従妹は原因不明の病気(恋患い)で痩せ衰え、「思い出は美しい」とだけ呟いて死んだそうだ。
青年は母と二人でひっそりと暮らした。

男を愛した女は、アタシを裏切ったら殺す!と脅迫するか結婚の絆で縛るか、
それとも男の幸せを願って裏方に徹するかの三種しか許されないという
作者の意識というか当時の常識が後味悪い。


617 本当にあった怖い名無し:2013/10/05(土) 10:18:57.66
いや、アラビアン・ナイトの時代を考えるとそれでも多い方なんじゃないの?
むしろ愛のある結婚が何回も出てくるのもリアリティがなかったのかも
そもそも妻に裏切られて女性不信になった王様を改心させるための話って設定なんだしさ

619 本当にあった怖い名無し:2013/10/05(土) 10:20:41.39
阿刀田高のアラビアンナイトを知っていますか?だな
主人公ざまあ従妹カワイソスとしか思わなかったw

 

バートン版千夜一夜物語〈3〉 (ちくま文庫)
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アラビアンナイトを楽しむために (新潮文庫)
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