ユリタン語四週間(式貴士)

8131/4:2013/10/10(木) 02:18:55.32
式貴士「ユリタン語四週間」

遠い異星ユリタン星と地球の間で観光船が行き来するようになった遠い未来。
ユリタン星は自転周期の関係で太陽に一つの面すなわち「昼の国」を向けていて、
ユリタン星人はみな昼の国に住んでいる。

昼の国は気候が温暖で海も川もなく陸地ばかり、
反対側の「夜の国」は海も川もあり、なぜか資源が集中している。
水は夜の国からパイプラインで引いている。

気候が穏やかで食うに困らないせいか伝統的に性に寛大で、
地球人との間に混血も可能なので地球人観光客はモテモテ。
しかもユリタン星の女性はみなセクシー美人。

短期の滞在ではユリタン星の良さを満喫できないからと、
ユリタン星の政府は異星人観光客に一年間の滞在を義務づけている。


8142/4:2013/10/10(木) 02:20:17.68
(無重力は女性の体に有害だとか何だとかで、
女性は宇宙に進出できない設定になっている)

ユリタン星まで四週間。
ユリタン娘への期待で胸とチ○ポを膨らませた日本人観光客を満載した観光船の中で、
ユリタン星人の添乗員が毎日、ユリタン星の言語と歴史と風物を親切にレクチャーしてくれる。
ユリタン星到着の前夜に、観光客は全員予防接種を受ける決まり。

「皆さん、明朝はいよいよユリタン星に到着いたします。予防接種を受けられた方は右手をあげて下さい…
 皆さん動けないようですね、それでいいんです。あれは予防接種なんかじゃなくてただの麻酔ですから」

「これから係の者が、皆さんの額に奴隷管理番号の焼き印を押します…
 ああ、肉の焼けるいい匂いがしますねえ」


815 3/4:2013/10/10(木) 02:21:36.97
ユリタン星では夜の国に集中している資源を掘り出すために、異星人を騙して奴隷にしていたのだった。
色々試したが地球人が一番頑健で、中でも日本男児は我慢強く勤勉なので大人気。
夜の国は電気こそ通じているが闇に閉ざされ、冬になれば吹雪が吹き荒れる。
ユリタン星は科学が発達しているので、奴隷一人ひとりの体力に応じて限界まで働かせる事ができる。
ヒョロガリもマッチョもそれぞれの限界まで、ぶっ倒れるまで酷使できるのだ。

11ヶ月働かせて、残りの一ヶ月は昼の国で過ごさせる。
その前に額の焼き印と夜の国での記憶を消すが。

セクシーで奔放なユリタン女に夢中になった観光客は、
なにしろ11ヶ月の奴隷労働の記憶を失っているのだから、
地球に帰ればユリタン星の素晴らしさを広める。


816 4/4:2013/10/10(木) 02:22:48.93
「…というわけで、我々奴隷商人は大儲け」
「さて、ユリタン語講座もこれで最後です。
 闇に閉ざされた夜の国での11ヶ月を乗り切るための言葉をお教えして締めくくりたいと思います」

「"ドモイ"…これはユリタン語ではありませんね。
 そうです、シベリアに抑留された日本人捕虜を支えたロシア語です」
「ドモイ、すなわち"故郷へ"!生きて日本の土を踏む事を誓って、
 捕虜たちは過酷なシベリアを生き延びたのです」
「さあ皆さん、心の中でご唱和ください。ド・モ・イ!」