日記帳(江戸川乱歩)

8491/3:2013/10/11(金) 12:24:01.33
江戸川乱歩「日記帳」

内気でプライドの高い青年が病死した。
兄が遺品の日記帳をめくって故人を偲んでいると、
弟は遠縁の美しい娘、雪枝さんに時々手紙を出していた事がわかった。

おや、と思って手文庫を探ると、
雪枝さんからの絵葉書が大切に紙に包まれて、一番下に安置されている。
文面はいたって普通で、恋を匂わせるような不純な事は書かれていない。
雪枝さんからの絵葉書は11枚、日記によると弟からの発信はたったの8通。
『最後の通信に対してYより返信来たる。おれはあんまり臆病すぎた。取り返しがつかぬ』


8502/3:2013/10/11(金) 12:27:34.01
日記のこの文を見て、さては弟は雪枝さんに恋をしていたのだな、
しかし恋文にしては間隔が開きすぎているではないか、と思った兄は、
弟が手紙を出した日付をアルファベットに当てはめてみた。
(私のろくでもない好奇心よ、呪われてあれ!)

3月…9日、12日、15日、22日
4月…5日、25日
5月…15日、21日
9番目はI、12番目はL…
I LOVE YOU、これだけを伝えるために弟は3ヶ月を費やしていたのだった。


851 3/3:2013/10/11(金) 12:30:21.30
雪枝さんの絵葉書を見ると、どれも切手が斜めに貼ってある。
ある小説で、恋心を伝えるには切手を斜めに貼るという昔の流行が出てきたのを、
兄弟と雪枝さんは話題にした事があった。

臆病でプライドの高い弟は作戦を練る事に夢中で、
雪枝さんに愛されている事に気付かなかったのだ。
雪枝さんは雪枝さんで、自分から男を口説くというはしたない真似はできなかった。
そして兄は、弟が死ぬ二ヶ月前に雪枝さんと婚約していた。終


852 本当にあった怖い名無し:2013/10/11(金) 12:36:21.32
バカみたいな話だな

 

月と手袋 (江戸川乱歩文庫)
月と手袋 (江戸川乱歩文庫)