ホーム » 小説 » 小説/ら行 » ルナル・サーガ・リプレイ/第2部 銀色の闇篇(友野詳・グループSNE)

6851/4:2013/12/07(土) 15:13:44.25
ガープスルナルサーガというTRPGのリプレイ。
第2部・銀色の闇篇の四章「アンディ・クルツをやっつけろ」から。

アンディってのが1部の主人公で、その偽物が出て来る話。
世界観が独特なんで説明が多めです。
TRPGなので各主人公はそれぞれ中の人が考えて行動してて、
GMってのがストーリー進行と審判をしてる人って前提で読んでください。

王女の特命部隊として旅をしている5人組、
仮面の女、不良上がりの騎士、美形好きな家出娘、妖精さん、ロリコン魔術師が主人公。

ある時、旅の途中で老人と孫娘(美少女)の二人連れと知り合う。
仇を追っていると言う彼らと別れて別々に旅立った翌日、
老人の方が道端で殺されているのを発見。
死に際に孫娘を助けて欲しいと託された一行が調べた所、
孫娘をさらった犯人は近くの都市に向かった事がわかる。
そこで老人の遺体を運び忘れていた事に気付き、
不良騎士一人が取りに戻る事にして、他の四人は先に街へ向かった。
これが後の悲劇の始まりだった。

都市に入るには門番がいる城門を通らなければならないが、
四人は門番から聞き込みしながら普通に通過した。

この話の前提として、ルナル世界で門番や警察などの役割をしているのがガヤン信者達。
人間が信仰しているのが青と赤の二つの月にまつわる多神教で、
秩序に関する青の神々と、混沌に類する赤の神々にそれぞれの宗派がある。
(ガヤンも青の一つ)
どの教義も対立しているわけではなく両面、同じ社会の中で、
秩序側の神殿は警察や文部省のようなお堅い方面を、
混沌側の神殿が商売や飲食や風俗といった砕けた方面を担当している。

ちなみに主人公達は赤(混沌)の信者が三人で
残り二人が人間以外の異種族とかなり片寄っている。
孫娘の件もガヤン神殿(警察)に通報しておくとよさそうなのだが、
犯人がガヤンの紋章を身に付けていたという情報から警戒し、
捜査は不良騎士が戻って来てからする事にした。


6862/4:2013/12/07(土) 15:16:43.63
次に同じように城門へやって来た不良騎士。こいつも赤の方の信者。
彼は騎士になる前はストリートキッズだった前歴があり、ガヤン嫌いを公言してはばからない。
明らかに殺傷された老人の死体を抱えたまま、門番に「ああん?」と凄んだり、
無視して通り過ぎようとしたり態度が悪い。
(ここで不良騎士のプレイヤーが
 「なにせ元不良だからガヤンの言うことなんて素直に聞けない」と発言)

おまけに、死体の切り傷の事を尋ねられると
「俺の剣に血の曇りはない。ほら見ろ」と剣を突き付けたりするので、
不審人物として神殿(つまり警察署)に連行されてしまった。

その後も取り調べに対して態度が悪く、
嘘発見の呪文で嘘がばれても老人を拾った経緯について何も話さない。
上司である王女の名前だけは出したが、身元の確認がすぐにはできず、
他の仲間は待ってるだけで動けないまま時間は翌日に進む。

朝になっても不良騎士が来ないので仲間達は門番に尋ね、
神殿に迎えに行くが逆にあれこれ詮索された。
ロリコンが洗いざらい白状してやっと話が通るが、
不良騎士だけは暴れたり信者を殴ったりしていたためもう一晩拘束される事になる。
しかし「勝ったぞ」「ここのガヤンの奴ら態度悪いんですぜ」とまったく反省してない。

その頃、家出娘だけ
実家の人間がいるかもしれない青の神殿の区画に近づくのを嫌がり、
一人で宿に戻ろうとしていた。
ところがそこで妹とその取り巻きに出くわし、仲間達が知らない所で拉致されてしまう。
実家が信仰するサリカ神殿の一室に閉じ込められた。
これは後で関係あるんだが、サリカ神殿も青で教育や福祉の役割をしており、
ガヤン神殿とは大体協力関係にある。

そしてGMのシナリオでは、一行の通報だけではガヤン神殿は動いておらず、
(まぁ肝心の死体を持って来た奴があの態度では無理も無いが)
サリカ神殿でのイベントを終わらせて話を通す事でサリカからもせっつき、
やっとガヤンが動いて孫娘を探してくれるという流れだったようだ。
しかしこの予定がなかなかうまく行かない。


687 3/4:2013/12/07(土) 15:21:28.81
今度は家出娘が戻って来ないので三人になったパーティ。
魔法でサリカ神殿の奥にいる事までは突き止めるが、通してもらえず、
裏庭から妖精が小さな体で飛んで偵察する事になった。
妖精は家出娘を見つけるのだが、
お堅い実家を嫌っている家出娘は身内に捕まっている事を話したがらない。
その結果、仲間達は悪者が神殿を乗っ取っているのではと警戒して泥沼に陥った。

事件二日目で、そろそろさらわれた孫娘を探さないと危険なのだが、
まず肉弾戦役の不良騎士を待ってから動く事にして引き下がってしまう。
(よりによって抜けた二人が肉体派なので戦闘に不安がある)

その頃不良騎士はやっと仮釈放されたと思ったら、
さっそく警官を無視したり中指を立てたり挑発しだして、
神殿侮辱罪でさらにもう一泊させられそうに。
さすがに仲間も痺れを切らして迎えに行き、
ロリコンが保護者みたいに謝る形でなんとか釈放してもらう。
しかし時間はもう真夜中。

その足でサリカ神殿にも向かって、奥へ通してもらおうとする。
まあシティアドベンチャーなのですんなりとは行かず、ダイスでの判定を要求され失敗。
そろそろ捜査のタイムリミットなのがわかっているGMは、偶然中に忍び込む機会を与えるが、
ここまで慎重に動いて来た一行は気付かずにスルー。
翌朝には正面から行って話をつけて家出娘を返してもらい、
サリカ神殿とも協力関係を築くが、内部処理ではすでに時間切れ。

その後ガヤン神殿へ呼ばれ、霊安室で捜していた孫娘の死体と対面する。
彼女は今朝、歓楽街の悪徳娼館の近くで死んだ直後の状態で発見されたという。
体は傷だらけで凌辱の跡もあった。
いあわせた神官の言葉から、もう少し早ければ助けられたかもしれない事、
サリカからも要請があってから動いた事がわかる。
つまり、一行があと少しだけ手際よく動いて
昨夜の内にイベントを終えていれば助けられた。

それを聞いた不良騎士は
「だから、ガヤンはっ!」と義憤に駆られるロールプレイをしかけるが、
さすがに空気を察したのか「俺が言える立場じゃねぇな」と言い直した。


688 4/4:2013/12/07(土) 15:25:08.81
これだけの話なんだけど、
もやもやするのがこれが最初から結末が決まってたわけじゃなくて、
主人公達(のプレイヤー)の行動の結果でそうなったって部分。

読んだ当時はプレイヤーの行動にケチつけまくって邪魔した挙げ句に
無惨な被害者を見せつけたGMが悪趣味だと思ってたが、
見返すと不良騎士の態度がネタですまないぐらい反抗的なのがわかって見方が変わった。
捜査が進まなかったのも、不良騎士を待っているせいで時間ばかり進んで、
仲間が思うように動けなかったのが大きいし。
(それに、戦力的にも不良騎士が前線にいないときびしい構成で、慎重にならざるを得ない)

「俺のキャラは〇〇だから〇〇には協力しない!」ってのにこだわって、
軽いペナルティで警告を受けながらも好き勝手暴れて仲間の足を引っ張り、
結果、全員が助けようとしていた少女が犠牲になってしまって、
それでもなお警察が悪いって顔しようとした不良騎士のプレイヤーは、
ゲーマーとして恥ずかしいと思う。
GMの言葉を借りて言うと、あるいはゲームだからこそ後味が悪い。

ついでに、後に少女を殺したのは
一行が追っていた偽アンディの仕業とわかり、犯人は倒される。
(クローンとして作られた悪のアンディで、短命のせいか性格も歪んだ快楽殺人鬼)

不良騎士は最終的に王女様と駆け落ちして幸せに暮らしましたとさ。

 

ルナル・サーガ・リプレイ (第2部〔上〕) (角川スニーカー・G文庫)
ルナル・サーガ・リプレイ (第2部 上)
(角川スニーカー・G文庫)


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