けもの・なみだ(辰巳ヨシヒロ)

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辰巳ヨシヒロ「けもの・なみだ」

主人公は田舎の青年。
恋人は豪農の家で女中をしているが、
そこの息子(以下、DQN)は事あるごとに、「俺の」女中に手を出すなと主人公を殴る。

ある日主人公は、野外で服を破かれて半裸の恋人が泣いているのを目撃する。
直後に、ズボンのベルトを締めながら小走りに走り出すDQNが見えたので全てを察し、
あいつは人間じゃない、野良犬に噛まれたと思って忘れるんだ、と慰め
そのまま東京に駆け落ちする。

数年後、二人は結婚して一人息子に恵まれ、
貧しいながらも幸せに暮らしていた。

ある日一家は動物園に行くが、
息子が機嫌の悪いゴリラに糞をぶつけられてしまう。


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頭を下げる飼育員に、
主人公は息子を慰めながら鬼気迫る顔つきで言葉だけは穏やかに、
「いいえ…ものの道理のわからぬ獣に腹を立ててもしょうがない事です」と言う。
妻は何か言いたそうに主人公を見る。

ある日主人公の息子宛に、高価なおもちゃがデパートから山ほど届いた。
差出人は不明だが、DQNからだと察した主人公は
血相を変えておもちゃを裏のドブ川に捨てる。

翌日、主人公一家の掘っ立て小屋のような借家に
運転手つきのベンツでDQNがやって来た。
DQNは、親が死んだので土地を処分してブラジルで一旗揚げる事にした、
その前にお前らに詫びを入れたかった、と土下座した。


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○○、友達と遊んで来い…と息子を促すと、
DQNは息子の顔をまじまじと見て涙を流した。
「○○というのか…○○、俺の…!」

息子が表に出た直後、妻はDQNを包丁で刺した。
「けだものだと思うから…人間じゃないと思うから我慢できたんだ!
 けだものは涙なんか流さない…なのにこいつは、一人前に泣きやがった!」
泣く妻を主人公が宥める隙に、軽傷のDQNは帰っていった。

翌朝、妻は書き置きを残して息子を連れて家出した。
『わたしの心の中にもケダモノがすんでいました。
 わたしはわたしの中のケダモノをたいじしにゆきます。
 ごめんなさいね、○○はわたしがつれてゆきます。』

 

大発見
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