ホーム » 小説 » 小説/は行 » ぼくたちは見た!(眉村卓)

970本当にあった怖い名無し:2014/01/25(土) 01:08:23.52
眉村卓の短編小説「ぼくたちは見た!」。

60年代に書かれた作品。
主人公である高校生の「僕」の手記という形式の小説だ。

「僕」の学校の校庭に、ある日突然UFOが着陸し、
緑色の小人のような宇宙人が下りてきた。

「地球の皆さんと友達になりに来ました。
 宇宙船の中を見せてあげますから、希望者はいませんか?」
と問いかけるが、生徒も教師も怖がるだけ。
「では、こちらから選ばせてもらいます」
と、宇宙人は十何人かを触手(?)で連れ去り、UFOの中に戻っていった。

残された主人公達が「皆を返せ!」と叫んで石を投げると、
連れ去られた人々は数分後に解放された。
「私の星の科学力の素晴らしさを、皆さんもわかってくれたでしょう。では失礼します」
と言い残し、UFOは飛び去って行った。

その後、教師の通報を受けた警察が駆け付けるのだが…。


971本当にあった怖い名無し:2014/01/25(土) 01:08:57.31
UFOに連れ込まれた人々は口々に語った。
自分達は中で歓迎を受けた。素晴らしい科学力だった。
船内は時間の流れを緩やかにする装置が使われていて、何時間分も中で過ごしていた…。

当然警察は相手にせず、マスコミも首を傾げるばかりだった。
連れ込まれた連中はムキになって事実だと証言するのだが、記者は
「どうも出来すぎてるんだ。いかにもSF漫画や小説そのまんまの話じゃないか」
と、結局学校全体が集団幻覚を見たんだろうと発表した。
そして世間はすぐにその事件を忘れて行った…。

それから何ヶ月か後、主人公は同級生の女子に、一緒に帰ろうと誘われる。
しかし帰り道、彼女はまるで尾行されているかのように怯え、頻繁に後ろを振り向く。
そして主人公に打ち明ける。

「あのUFOに連れこまれた人達、マスコミにはそれこそしつこいほど、
 相手にうんざりされるほど自分達の体験を証言していた。
 でもそのおかげで、かえってマスコミへの信憑性を失ったと思わない?
 わざと幻覚を見たと思わせるように話したんじゃないかしら」
「私、本当は連れこまれた先生の1人が好きだった。
 でもあれ以来、先生が別人になったような冷たい感じを受けるのよ」
「この前図書室を覗いたら、連れこまれた人ばかりが集まって、何かを相談していた。
 それ以来、私は誰かに見張られている気がして仕方がないの」


972 本当にあった怖い名無し:2014/01/25(土) 01:10:09.88
そして手記は次の文で終わる。

その翌日、彼女は死んだ。
誰が運転しているともわからない車に跳ねられたのだ。
そして、僕も誰かに見張られている気がする。
恐らく僕も彼女と同じ運命を辿るだろう。

次はこれを読んだ君の番だ。
君がこの内容を新聞にでも雑誌にでも知らせて、多くの人に伝え、
対策を練らないことには…


974 本当にあった怖い名無し:2014/01/25(土) 01:38:06.40
オカっぽいいいオチだな
しかし後味悪いというよりはUFOの得体が知れないのが怖いな

 

超世界への旅 日本のSF短編集 [SF名作コレクション(第2期)]
超世界への旅 日本のSF短編集
[SF名作コレクション(第2期)]


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...