チェロ(フェルディナント・フォン・シーラッハ)

490本当にあった怖い名無し:2014/03/13(木) 21:58:05.91
フェルディナンド・フォン・シーラハの短編集「犯罪」より「チェロ」

テレーザとレオンハルトの姉弟は
建設会社を営む父タックラーと暮らしている。
母は姉弟が幼い時に事故で亡くなった。
タックラーは厳しく、子どもたちの自由をきつく制限するような人間。

テレーザはチェロ奏者を目指すようになり、音楽大学への入学も決まっていた。


491本当にあった怖い名無し:2014/03/13(木) 21:59:31.51
それを機に姉弟は家を出ることを父に告白する。
暫く頭を冷やした後、家に戻って昔のビデオを見る父。
子供たちと笑いあう妻や、テレーザを高い高いする若きタックラーなどが映っていた。

彼はテレーザのためにさよならコンサートをすることを思いつく。
娘を《有名人》にしてやらねば。
姉弟の将来を祝福してそれぞれに
25万ユーロ(約3500万円)の小切手もプレゼントした。

有名な批評家から見事才能を認められたと知ると、
テレーザは音大進学を蹴って弟と一緒に旅に出ることにした。
「才能があるなら、本気でやるのはもう少し後でもいいと思った」から。


492 本当にあった怖い名無し:2014/03/13(木) 22:00:43.16
父がいない自由を謳歌する姉弟は、片時も離れることはなかった。
しかしシチリア島滞在時にレオンハルトは交通事故を起こし、
重傷+尿毒症で死の境をさまよう。

結局身体障害と記憶障害が残ってしまった弟を連れて、姉はベルリンに引き返す。
レオンハルトは記憶が3,4分しか持たないようになっていて、
常に姉を赤の他人だとおもっている。


493 本当にあった怖い名無し:2014/03/13(木) 22:01:56.09
しかしチェロが記憶の断片にあるらしく、テレーザは毎日弟のために演奏をするも、
レオンハルトの病状は悪化するばかり。

医者達からもうすぐ言語能力も失うだろうと聞かされたテレーザは
浴槽で弟を溺死させ、逮捕される。
テレーザは独房で父に手紙を書いた後自殺し、
手紙を受け取ったタックラーも拳銃自殺。

なんか後半が例の泣けるコピペを若干思い出させる内容で後味悪い。

 

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