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549 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/04/15 16:54
ガイシュツかもしれないけど、昔読んだ雑誌に載ってた話。

時は近未来。科学が発達して人々の暮らしはますます快適に、豊かになった。
家庭に必ずある電話も変わった。
留守番電話だが、「多機能型臨機応変留守番電話」が主流になった。
これは、電話が独自の判断で留守番メッセージを臨機応変に対応する素晴らしいものである。
ある家庭で電話が鳴った。家人は誰も取らない。電話は独自の判断で会話に応じる。
「○○さんのお宅ですか。●●商事ですが、ご主人がお休みのようで…」
主人宛ての電話だ、ここは妻の声で対応する。
「連絡が遅れまして申し訳ありません。主人は急に熱を出してしまいました」
午後、また電話が鳴る。
「もしもし、奥さまはいらっしゃいますか?」
妻宛ての電話だ。電話は考えて、娘の声で出ることにした。


550 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/04/15 16:54
続)

「すいません、お母さん今買い物に行ってるんです」
夕方になり、娘のBFからも電話がかかってきた。
「○さん、今日の5時に約束してまだ来ないので心配で」
BFか、ここは父親の声のほうがいいだろう。
「田舎の祖母が急に亡くなりまして、母親と一緒に急遽帰省しましたが」
その後もこの家の電話はなかなか途絶えることはなかった。
電話はいささか疲れてしまった。いつになったらここの家人は帰ってくるのだろう。

そのころ、この家に昨夜強盗が押し入り一家を全員惨殺していった地獄絵図があった。
未だ誰にも気づかれず、電話に出る留守番電話の声を信じて、誰もそのことを知らない。
今日もまた、行方を捜す電話が鳴る。


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