子どもたちが屠殺ごっこをした話(グリム童話)
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69 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/14 11:12
- 童話「屠殺ごっこ」その1
西部フリースランド(オランダ)にあるフラネッケルという名前の小都市で、
5歳か6歳ぐらいの女の子と男の子、まあそういったような
歳のいかない子どもたちが遊んでいました。やがて、子どもたちは役割を決めて、
1人の男の子に、おまえは牛や豚をつぶす人だよと言い、
もう1人の男の子には料理番だよと言い、
またもう1人の男の子には、おまえは豚だよ、と言いました。
それから女の子にも役をこしらえて、
1人は女のお料理番になり、もう1人はお料理番の下働きの女になることにしました。
この下働きの女は腸詰めをこしらえる用意として、豚の血を小さい容器に受ける役目なのです。役割がすっかり決まると、豚をつぶす人は、
豚になるはずの男の子につかみかかってねじ倒し、小刀でその子の喉を切り開き、
それからお料理番の下働きの女は、自分のちいさな容器でその血をうけました。そこへ、市の議員がはからず通りかかって、このむごたらしい様子が目に入ったので、
すぐさまその豚をつぶす人をひったてて、市長さんの家へ連れて行きました。
市長さんはさっそく議員を残らず集めました。議員さんがたは、この事件を一生懸命相談しましたが、
さて、男の子をどう処置していいのか見当がつきません。
これが、ほんの子どもごころでやったことであるのは、分かり切っていたからです。ところが、議員さんのなかに賢い老人が1人あって
それなら、裁判長が、片手に見事な赤いりんごを
片手にライン地方で通用する1グルテン銀貨をつかんで、
子どもを呼び寄せて、両手を子どもの方へ一度に突き出して見せるが良い。
もし子どもがりんごを取れば、無罪にしてやるし、
銀貨の方を取ったら、死刑にするがよいと、うまい知恵を出しました。そのとおりにすることになりました。
すると、子どもは笑いながらりんごをつかみました。
子どもは何にも罰を受けないですみました
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71 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/14 11:15
- 童話「屠殺ごっこ」その2
ある時、お父さんが豚をつぶすところを、子どもたちが見ました。
やがて、お昼過ぎになって、子どもたちが遊戯をしたくなると、
ひとりが、もうひとりの小さい子どもに、
「おまえ、豚におなり。ほくは、豚をつぶす人になる」と言って、
抜き身の小刀を手にとるなり、弟の喉を、ぐさりと突きました。お母さんは、上のお部屋で、赤ちゃんをたらいに入れて、お湯をつかわせていましたが、
この子どものけたたましい声を聞きつけて、すぐ駆け下りてきました。
そして、この出来事を見ると、こどもの喉から小刀を抜き取るが早いが、
腹立ちまぎれにそれを、豚のつぶしてであったもう1人の子の心臓へ突き立てたものです。これが原因で、妻は心配が嵩じて、やぶれかぶれになり、召使いの者たちが
いろいろなぐさめてくれるのも耳に入らず、首をくくってしまいました。夫が畑から帰ってきました。そして、この有様を残らず見ると、
すっかり陰気になって、それから間もなく
この人も死んでしまいました。
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73 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:02/05/14 11:22
- >71
あわてて駆け下りていったから、赤ん坊もたらいに放置されてシンジャッタんだよね。