冷たい森の白い家(乙一)

775 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/14 15:58
乙一短編集『zoo』から「冷たい森の白い家」

叔母の家の馬小屋で虐待されて育った青年。
馬小屋の壁は、人の顔のような模様の石壁である。
青年は馬に踏まれて顔の一部が落ちてしまい、ますます嫌われるようになる。
唯一優しくしてくれた叔母の娘が家を出ると彼は馬小屋を追い出される。
追い出された青年は、辿り着いた森に再び人の顔に包まれて眠るため、通りかかった人間を殺し
その死体を組んで家を作る。死体で作られた家は遠くから見ると白く見えた。
ある日、一人の少女が「弟を返してくれ」と言って尋ねてくる。弟は壁になっていた。
少女は自分が代わりに壁になるから弟の体を家に返して、遠くに働きに出てくる母親が
帰ってきた時安心させてやってほしいと頼む。ほがらかで優しい少女。
壁の中に入った少女は、やがて死んでしまうのだった。
男は少女と弟の死体を箱に詰めて、少女の家に届けに行く。
ちょうど家の前で、遠くから帰ってきたばかりの少女の母親と会う。
それは、かつて男に唯一優しくしてくれた叔母の娘だった。彼女は久しぶりの男との対面を喜び、
またうちの馬小屋に住めば良いと言った。
そうして彼女は家の前にある箱を見ると
「この果物の箱、中身は腐ってるみたいだから捨ててちょうだい」と言って、
久しぶりに会う我が子を探して家の中に入る。おわり。

乙一は、作品にもよるが、淡々としたグロさや後味の悪さがあって結構好きだ。


779 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/14 22:03
>>775
その後の母親と男はどうゆう関係になるのだろう・・・
殺人者と被害者の親という関係になるのか
行方不明の子供達を心配する親とその幼なじみという関係になるのか。
どちらにしても後味悪い。

783 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/15 08:24
>775
その後本当に箱を捨てちゃったのかね。後味悪い。

784 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:03/09/15 10:49
それより優しかった筈の少女が「また馬小屋に住めばいいわ」って・・・歴然たる階級の差を感じる。

798 名前:775 投稿日:03/09/16 02:50
>783
小説では、その後男は黙って箱を捨て、再び馬小屋に入って
ワラにもぐりこみ目を閉じた、みたいな感じで終わってたよ。
自分も子供の頃はワラのベッドで星空を見ながら眠るって憧れてたな~。

 

ZOO 2 (集英社文庫)
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