ホーム » 小説 » 小説/や行 » 夜鳥(モーリス・ルヴェル)

653 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・  投稿日:04/04/26 22:35
モーリス・ルヴェル「夜鳥」の中の一篇より

あるところに変わった趣味を持つ男が居ました。
その趣味とは突然起こる事故や惨事を目撃すること。

ある日、男は自転車曲芸団のポスターを見つけました。
曲芸団でやる芸は、すごく高い自転車の上で逆立ちして、
最後には地面へ飛び降りるというもの。
男はこの芸を初日から熱心に見続けます。
「いつかあの曲芸師は頭を割るはずだ」と思いながら。

男は毎日同じ席に座り、曲芸を見続けましたが曲芸師は全然失敗しません。
2ヶ月経ち、いつものように見物に行ったある晩、男は曲芸師と出くわしました。
そこで男は曲芸師から何故失敗しないのか聞きます。
「精神を集中していれば落ちません。集中するために、
毎晩同じ席で瞬きもせず私を見ている貴方を視線の目標にしているのです。」

次の晩、男はいつもの席にいつものように座っています。
曲芸師もいつものように芸を始めました。
その瞬間、男は立ち上がると座席の端まで歩いていきました。
と、遥か上の方で、宙に投げ出される曲芸師の体。
墜落する曲芸師。もんどりうって観客席へ倒れる自転車。
男は満足げに帰っていきました。


654 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・  投稿日:04/04/26 23:26
ずっとバイクの曲芸のエピソードをおぼえていたのだが、
19世紀の小説ならそっちが先だね。

私が知っていたのは、
丸い鳥かごのような檻の中をバイクがグルグル回る曲芸のほう。
公演最終日が近づいたころか、
その曲芸が好きで毎日見に来ていた少年にバイクの曲芸師が、
「君は毎日同じ席で見ててくれてる子だね。
 君の席がちょうどいい目印になるのでおぼえているよ。
 明日も来てくれるかい?」
という。少年はもちろん行きますみたいな。
で最終日、少年はふと席をひとつずれて隣の席に座ってみた。
すると目の前でバイクは・・・・

という話。
実話とは思ってなかったが、そんな元ネタがあったんだなと。

 

夜鳥 (創元推理文庫)
夜鳥
(創元推理文庫)


後味悪い
(後味悪ければクリック)
読み込み中 ... 読み込み中 ...