ドッグヴィル

478 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/08/05 12:41
映画「ドッグヴィル」

ギャングに追われたグレース(ニコール・キッドマン)がギャングに追われて、
貧しく閉鎖的で、何を決めるにも集会を開く村「ドッグヴィル」に逃げ込む。
助けた村人は最初こそ優しく受け入れるものの、美しいグレースに迫る男たちや
それに嫉妬する女たちが次第に牙を剥く。

奴隷のように働かされて逃げ出し、連れ戻された後は、
重い金属の車輪に繋がれた首輪を嵌められてしまう。
そうなると村人たちは歯止めが利かず、
夜毎、服を着たままで性欲を処理させられ、今や彼女の家は無料の娼婦宿だった。
子供たちが鐘を鳴らして村中に行為の最中であることを知らせ、
唯一、心を通わせた男はなぜこうなるのかと困惑するばかり。
その男すらも「今まで君を抱かなかった男は僕だけだ」
「家族や村人を捨てて君をかばったんだから、それくらいの代償行為は必要だ」と迫る。

結局、グレースに己の心の内を優しく指摘された恋人は、
このままだと自分の心が身包み剥がされると恐れ、彼女をギャングに引き渡そうと村人に提案。
が、迎えに来たギャングの親分はグレースの父だった。
2人の間で、村人たち裁かれるべきか否かの
論議が白熱し、散々かばったグレースは唐突に「この村の存在自体が世界の為にならない」
と思いついて皆殺しの粛清を指示、村中が阿鼻叫喚地獄。

撮影はセットの中の白線と小道具だけで行われ、舞台を見ているようで面白い。
けど、人が人としての尊厳を奪われる瞬間が、見ていて一番辛い。終始、落ち着かない映画だった。


490 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/08/06 08:18
>>478
その映画のドキュメンタリで「メイキング・オブ・ドッグヴィル」もかなり鬱。
ほとんどセットがない実験的映画な上に、内容が内容なだけに出演者が追い詰められていく。
ニコールキッドマンが実際にやつれていく姿は痛々しいし、
監督自身まで「この映画、失敗するかも」みたいな弱音を吐くし。
(ちなみにこの監督、ダンサー・イン・ザ・ダークの監督)
撮影終了後にはほぼ全員が「ここから早く離れたい」と言っていたのがすごい。

本編、メイキングの順番で見たけれど、もう一度本編見たいとは思わなかった。


496 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/08/06 14:02
グレースは闇の世界に生きたくない、ギャングに縛られて生きるのはまっぴらだ、
という理由で逃げ出した家出娘。冒頭は単なる親子ゲンカの慣れの果てだったのが、
物々しい様子から、村人は変に勘繰っただけ。グレースは、あれが父親だとは
最後まで言わなかった。ただ一言「奴は非道で恐ろしい人間だ」と。

恋人の発想や村人のしたことは、閉鎖された外の世界を知らないDQNの集まりなので
至る経緯もへったくれも無かったです。皆が自分と同じようにグレースのこと不快に思ってるから、
こういうことをしても許される、って感じ。助けたことを恩着せてた、というのも理由の一つ。

そして、闇の世界に縛られるのも、この村でコキつかわれるのも同じだ、という理由で
グレースはそりゃもう優しく村人の非道に甘んじていた。
自分だって、この村人と同じ環境にいたら同じことをするだろう…彼らには慈悲が必要だ、と。

なのに、最終話での、父親との対峙でいつの間にか
「こいつら汚ったねぇ犬同様の生きモンだな!(゚Д゚)≡゚д゚)、カァー ペッ!! 」と思いついて皆殺し。
特に自分に辛く当たった女には最も残酷な方法で、恋人は自分の手で。
なんでグレースの気が変わったのかは、啓示でも聞いたかっていうぐらいに唐突で不明。

 

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