ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その21 » 植物急速成長薬

426 名前:1/2 投稿日:04/11/09 02:15:18
ホラー漫画が続いたので自分も投下。
かなり昔の記憶なので、脳内脚色、補完がありますけどごめんなさい。

小学生(?)の主人公の少女は父子家庭なのだが、
父親は芽の出ない研究者でとても貧しい生活を送っていた。
また同じクラスには不動産だかゴルフ場経営者だかの娘がいて、
バブル絶世期の建設ラッシュで超お嬢様。取り巻きと共に少女を馬鹿にしている。
それでも少女は夢を捨てず研究を続ける父を慕い、親子二人で貧しくとも幸せな日々を送っていた。
そんなある日父親の長年の研究が実り、「植物を急速成長させる薬」の開発に成功。
自然破壊の懸念されていた近年それは爆発的に広がり、街中には緑が増え
人々は自然のすばらしさに気づくようになった。
薬品の使用のおかげで世界中には森林が溢れていき、研究者である父と少女は裕福に、
宅地開発がされなくなったお嬢様は一転して貧乏になってしまった。
ちやほやされ始めた少女だが、それでも天狗にならずに元お嬢様にも優しく接し、
世間に認められた父親と共に幸せになる。


427 名前:2/2 投稿日:04/11/09 02:17:42
が、そうして薬品の使用が当たり前になっていった頃、父親は成長剤の重大な副作用を発見してしまう。
薬品を使用して大きくした木々は、何百年か経つと大気を汚染してしまうようになるというのだ。
それを止めるには、成長した木々を焼き払ってしまわなくてはならない……父親は少女にその事実を告げ、
「この事を公表したらまた貧乏に逆戻りだ。でもお父さんは頑張って研究する、また二人で頑張っていこう」と話す。
心優しい娘ならわかってくれるはずだ、と…
しかし裕福な暮らしに慣れてしまった少女は
「そんなの嫌!副作用が現れるときは私たちはもう死んでいるんだから関係ない。言わなきゃいいじゃない!!」と反対。
娘の豹変に驚く父親だが、それでも娘の制止を振り切り、事実を公表するため出かけていく。
そうして雨のなか車を運転し家の門から出ようとうする父だったが、急に車の前に影がよぎる。
フロントガラスに打ち付ける雫で視界の利かない中、驚く彼の見たものは
手を広げ必死の形相で立ちはだかる娘の姿だった。
とっさにハンドルを切る父親、そして暗転―――

数日後。頭に包帯を巻いた少女。
軽い怪我ですんでよかったですね、などと周囲の人と会話する中、改めて脳裏に疑問がよぎる。
どうしてお父さんは酷い雨なのに出かけようとしたんだろう。どうして私はその車に轢かれかけたんだろう…
「不慮の事故でお父様は残念でしたね。でも彼の遺してくれたこの自然が見守ってくれますよ」
「そうね、お父さんはいつも私と一緒にいてくれる…」
父親の作った薬品は今でも使われ続けている。きっと地球上がその緑で覆われる日も遠くはないはず。
父親の願いは生き続けているのだ。悲しいけど、頑張っていこうと決意する笑顔の少女。
外には青々と広がるたくさんの緑。しかしその陰影は悪魔が笑っているようだった……

この漫画の作者、絵はすっごい古臭い少女系だったけど、描く話は秀逸でした。
名前が思い出せないけど、また読んでみたい。


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