ホーム » 小説 » 小説/な行 » にこやかな男(田中啓文)

904 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/11/22 15:27:29
昔読んだ小説。
元サーカスのピエロで今は外交官を勤めている男と側近が日本に来日。
知名度も薄い発展途上国の為他の人間に執拗にいたぶられる。
その国では崇拝する神が人工的な避妊を禁じているので子供が多く、その為に財政が逼迫していた。
そのことで他の国に資金援助などを求めるも嘲笑されまともに意見をいう事すら許されない。
彼らが日本での滞在中に通訳として回された若い日本人男性は
そこまでの扱いを受けても常に笑顔を崩さないその外交官に疑問を感じ始める。

905 名前:続き 投稿日:04/11/22 15:31:25
外交官はどうも滞在しているホテルで一夜を過ごすと全てのストレスが発散されるらしい。
そのこだわり方は異常で気を使った通訳の男が
気晴らしに外食でもしないかと持ちかけても断り続けるというものだった。
あまりにも尋常ではないその様子に男はとうとうホテルのボーイにチップを握らせ、部屋に侵入してしまう。
異様な泣き声に気づき、男はゆっくりとそこに近づく。
クローゼットの中の小さなトランクの中には、
なんと外交官が言っていたペットではなく人間の乳児が押し込まれていた。

906 名前:続き 投稿日:04/11/22 15:36:20
長い間そこで暮らさせられていたのか、四肢は変形ししかも何かで散々虐待した形跡があった。
男は意を決し子供を非難させ外交官に自分が見たものを語る。
部屋で裸になりいつものように虐待をしようとしていた外交官は意気消沈、
泣きながらあれを返してくれ、あれがないと私は壊れてしまうと切々と語る。
その様子に憤慨した男が「自分の子供に何をしているのかわかっているのか」と詰め寄ると、
外交官は「私の国では○○神に洗礼を受けていない子供には魂が宿らないとされている。
事実私の妻は10人子供を生んだが洗礼を受けたのはそのうち3人だ、残りの子供たちには愛情を注いでいる」と返す。
あまりの価値観の違いに立ち去る男。

907 名前:続き 投稿日:04/11/22 15:38:55
次の日の会議、外交官は張りぼてのような笑顔を浮かべて現れる。
会議中にいきなり席を立つと、男は隠し持っていたマシンガンを発砲。
各国の顔が一様にミンチ状態と化した中で、震える通訳の男に外交官はにっこりと向き直る。
「安心してください。貴方は最後にとっておいたんですよ」
ぷちゅ・・・ちゅん!

 

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