磯田知子

238 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/12/08 15:50:41
5年くらい前の話。
帰宅途中の新宿駅西口(小田急入り口?)で車椅子から転げ落ちた老婆がいた。
思わず駆け寄って「大丈夫ですか?」と声を掛けると
「見て分からないの!? これが大丈夫に見える!? そう思うならさっさと助け起こしなさい」
といきなり命令口調で抱かかえ方まで指示されて荷物を一杯付けた車椅子に座らせるように言った。
言われるがままズボンのベルトを持って車椅子に座らせると今度は
「『大丈夫ですか』なんて言葉を掛ける前にやる事があるでしょ!? 
まず手を出さないことには福祉やボランティアなんて語る資格無いのよ!!」と説教が始まった。

いえ、私以前病院勤めてましたがボランティアなんてやった事無いんですが。
今も絡まれて仕方無くあんたを車椅子に戻しただけなんですが。
しかもあんた、歩けますね? 本当に歩けない人の足腰じゃないことは経験から分かるんですが。
浮浪者風の格好ながら匂いも全くしないし薄化粧までしている。


239 名前:238 投稿日:04/12/08 15:51:16
説教を黙って聴く私。周りには黒山の人だかり。
当時の職場はDQNと基地外だらけでこの程度の罵倒なぞ日常茶飯事だったので
私は何とも無かったのだけど、近くにいたおばさん二人組が気を利かせたらしく
「変なのに絡まれちゃって大変ねぇ。一体何があったの?」と話掛けて来た。
その時、私はこのおばさん達のことを「何だかんだ言ってこのお祭りの成り行き知りたいだけじゃん」
と感じた。何故か老婆よりおばさん達の方が下衆な気がして、老婆の罵倒が続く中、
「いや、私はこの人の話を聞いているだけですから!」と結構きつめに言ってしまった。
散り行く人々、逃げるようにその場を去るおばさん二人組。
そして態度豹変の老婆。いきなり笑顔になり私の手を握り、ジュースを2本くれた。

以下老婆の話の要約
自分のような浮浪者で身障者はいつも社会から苛められている。
今日も駅から外に出ようとしたら警備員の人に目の前でドアを閉められ、転んでしまった。
警備員はニヤニヤしているだけで周りの人も助けてくれようとしない。
そこに私が登場。罵倒したことは悪かった。さっきのおばさん達のような人種が一番嫌い。
自分は普段池袋や新宿でボランティアの関する啓蒙活動をしている。
ニュースステーションや雑誌にも取り上げられた。(雑誌のコピーを持っていた)
支援してくれる仲間も一杯いる。何らかの裁判(人権問題?)に関わっている。


240 名前:238 投稿日:04/12/08 15:51:52
その日はお互い笑顔で別れた。ジュースはドンキで買ったと思われる新品で変なところは無かった。
彼氏にこの話をしたところジュースは捨てた方がいいと言われたが私は飲んでしまった。
数日後、新宿で数人の若者に囲まれてピアニカを演奏する老婆を見た。

それから半年くらいして彼氏からその老婆らしき人が死んだというニュースを聞いた。
池袋の交差点で車椅子から落ちて身動き出来なくなっていたところを車に轢かれたらしい。

あの老婆は本当に足が不自由だったのか?
本当に浮浪者だったのか?
健常者が社会的弱者の振りをしてボランティア精神の重要性を訴えていたのか?
ちょっとした歩み寄りをした人をボランティアにいきなり引きずり込むやり方は正しいのか?

今回も私のような「誰か」を釣る為に仕組んで失敗したのではないのか?

この話の成り行き全てが私にとって後味が悪い。
ボランティアとか善行とか偽善とかに思うところ多い分、余計に。


243 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/12/08 17:06:46
>>240
もしかして、声がハスキーで小柄な人じゃなかった?
それならかなり前にテレビで見た人かも・・新宿だったし。
足が悪いのは本当だけど、物言いがキツくて
他の浮浪者と折り合いが悪く、ボコされた結果。

最期は交通事故というより、倒れた車椅子から離れ、
自分から車道に這って行き、自殺に近い形で亡くなったそうです。

確かに後味の悪いドキュメンタリーでしたよ・・


245 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/12/08 17:09:59
追加。彼女は若い頃から声帯?に障害があり
そのせいか偏屈だが、頭は良くて詩作などもする人でした。
元はなにか自営業をしてた人なのだけど
親族・商店街の人とも折り合いが悪く、立ち行かなくなって
ホームレスになったとか。うろ覚えでソースも無くてスマソ。

246 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/12/08 17:12:48
アーカイブに残ってた。これですね。
やはり自殺だったようです。合掌。

ttp://web.archive.org/web/20010417000232/http://www.asahi.com/national/update/0414/012.html


247 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/12/08 17:19:21
磯田知子さん、でググると色々でてきますが・・
本当に後味悪いと思います。

249 名前:238 投稿日:04/12/08 17:44:46
>>243
情報ありがとうございました。結構有名人だったんですね。
その人が亡くなった話は彼氏に聞いた話だったのではっきりしない所も多く
「釣りだったのではないか?」と思っていましたが・・・ そんな最期だったのですね。
私的にはすっきりとその人のご冥福をお祈り出来るようになりました。
(今までは何か釈然としなくて「こういう話があった」としか認識出来なかった)

「老婆」と表記したのは50歳代と思えなかったからです。
60歳過ぎくらいの容姿、声だと思いました。
本当は足が悪くないんじゃないかと思ったのは、車椅子に移動する際に
自分で足や腰を動かせたからです。
介助経験のある方なら棒のように全く動かない足腰の人とそうでない人の違いが分かると思います。
歩行が(全くではないでしょうが)困難だったのは事実だったんですか・・・ 
ただ、身綺麗にしていたのは支援者のお陰? 
まだ腑に落ちない部分も沢山ある。
そして、私自身のあの場の対応は正しかったのかも分からない。
正解なんて無いだろうし、あってもご本人はお亡くなりになってるし・・・