恋の味(中井紀夫)
- 人魚アンソロジー読んだ事あるけど、 その中で人魚を食わせる店の話があって後味悪かった。
その店で出す人魚は大きいのから小さいのまでいて、
小さいのは赤ん坊の人魚じゃなくて女の人魚のミニチュア版。
白魚みたいに酢でしめられて小鉢に入ってつきだしとして出されたりする。
大きい奴は生け簀の中で泳いでいて、客はその中から食べたいやつを選ぶ事ができる。
ただし大きい人魚は1人じゃ食べ切れないので、
数人で注文して人魚づくしのコースで食べるのが普通。
刺身とか鍋とかいろいろ。
人魚に知能はないので食べちゃっても問題はないらしい。
しかしあるサラリーマンが生け簀で泳いでいる人魚の1人に恋をしてしまう。それを知ってて会社の連中は宴会の時にサラリーマンが恋している人魚を食べる事にする。
別にそのサラリーマンが嫌われ者だからとかじゃなく単に面白いからという理由で。
その人魚がまず刺身として運ばれて来る。
会社のみんなはサラリーマンがまっ先に食べるようにはやし立てる。
仕方ないのでサラリーマンは目をつぶってその肉を食べる。
みんな大喜びで喝采する。なんか人って本当にこんな感じなんだろうなと思うから
ヤな話だった。
- >>141
その話で後味が悪いのは、
サラリーマンが人魚に惚れてることを
隠しもしないで周りに筒抜けだってことだな。リアルに置き換えれば、牛に本気で惚れて
会社の連中に「牛かわいいよ、牛。らぶ」とかやったわけだ。
そりゃーネタにされるし、周りも本気にしないよな・・・