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493 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/06/13(月) 20:38:51
何だかで読んだ短編小説。

ある無人島に流れ着き、何年も暮らしていた一家が発見された。
いや、一見家族の様だが、国籍も年齢もちぐはぐ。どうも様子がおかしい。
するとその中の一人が医者で、驚くべき事実を語り出す。
やはり彼らは全員が他人だった。流れ着いた時、しばらくは協力して
暮らしていたが、その内にいさかいが生じてきた。
暴力事件が起こり、女性もいたので強姦だ何だとヒドイ事に。
それで相談の結果、医者が頼まれて全員に催眠術をかけたのだという。
それは皆が、仲の良い「家族」だという暗示だった。
救出の日まで、助け合うのだ。父、母、兄、妹など、全員に役割が与えられ、
今日までうまくやって来ていたのだ。

素晴らしいアイデァだった。が、助けた船の船長は暗い顔。
催眠をとけば、少しずつ皆、元に戻るだろう。しかし…。
仕方なかった、とうなだれる医者。彼らの前には、一人の男がいた。
メンバーの中の、最も凶暴で、危険だった男。
女性を犯し、わがままて、何をするか解らなかった男。
彼には、皆に従う役が与えられていた。そして最も深い暗示がかけられていたのだ。
「暗示の期間が長すぎた。もう、二度と元には戻らないかも知れません。」と医者。
「この事はいずれ問題になりますよ」と船長。
そこにいるのは、くんくんと鳴きながら、全裸で骨をかじる男。
自分を犬と思いこみ、尻尾を振っているつもりの、哀れな男の姿だった。


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