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626 名前:1/2 投稿日:2005/07/03(日) 11:58:50
「ヨブ式」 牧野修

突然、三沢という男の周囲で悪意のある嫌がらせが始まる。
精神的なものから実害のあるものまで、さまざまな嫌がらせ。
三沢は、小学生の息子と妻を、彼女の実家に避難させる。
一人の家に帰ると、なぜかタイミングよくビデオ再生
妻と息子を駅で見送る三沢の様子だった。
かけつけた実家では妻の両親が惨殺されていて、
かかってきた電話ではあんたの妻を乱暴中だと言われ、
どうにか、隠れて助かっていた息子を見つける。
一家惨殺事件としてマスコミに食いつかれ
ボロボロになりながら息子とビジネスホテルへ逃げる。
当座の荷物を取りに家に戻り、冷蔵庫を開けると、
みっちりと詰められた妻の死体。
絶望の中、息子のためにと前を向く三沢。
住み込みで働ける仕事を見つけ、向かう途中の駅ホーム、
手をつないでいた息子の背を誰かが押し、入ってきた電車に巻き込まれ息子死亡。


627 名前:2/2 投稿日:2005/07/03(日) 11:59:20
以降、現実なのか幻影なのか、読み手に委ねられ
三沢は病院にいる。ストレッチャーで運ばれている。
血と糞尿の匂いがする廊下を進み、どこか分からない、暗い場所に捨てられる。
「式を起ち上げた」人の集積所だというそこは、「解の場所」らしい。
ヨブ式を起ち上げたのだから、どうされてもしょうがない。
集積された悪意の発露として、ヨブ式に当てはまった者が式を起ち上げる。
その一人がたまたま自分だった諦めることだ。
体中が痛い、血を吐きボロボロの三沢。ここからは出られない。
起ち上がったものは、いつか解が出る。解が出れば終わる。それだけだ。
知ってる顔、知らない顔が、天井に開いた穴からこっちを見てる。
笑ったり、蔑んだり、他人事のようにしゃべり合ってる。
死んだ妻の両親の顔さえある。息子の顔も。
三沢を責めるように息子の口が、「酷いよ」と動いた。
三沢は泣いた。

630 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2005/07/03(日) 14:01:11
いかにも理系の作家が、
SFにかこつけて書きそうな後味悪い小説だ。
これ、かなり書評でも上位だったような気がするけど
こういう作品だったのか。納得しますた。
こーゆーリアルな人生の不条理を感じさせるもの読むと、
筒井の方が何ぼか健康的って感じがするな。
紹介、感謝です。

 

ファントム・ケーブル (角川ホラー文庫)
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