幽霊(わたなべまさこ)

559 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/13(金) 20:09:28
わたなべまさこのミステリーコミックから、
ヘタレ夫が主人公の話。ちょっとウロなんだけど。

主人公は、そこそこ中年のサラリーマン。子どもはなく、
おとなしい妻と二人暮らし。なに不自由はないが、刺激もない生活。
その彼が、ふとした事で明るい華やかな雰囲気の女性と知り合う。
若くはないが妙齢で、気が強いところが新鮮で、
妻にはない、健康なオンナの魅力がたっぷり。
アッという間に愛人関係になってみると、身体の相性もバッチリ。
結婚以来、初めて生きてて楽しいと思える毎日が訪れる。
すっかり愛人のトリコになってしまう主人公。妻は目に入らない。
だが逢瀬を重ねるうち、お約束で、愛人は妻と別れろと言い出す。
そこまでは踏ん切りがつかずモタモタしていると、
気の強い愛人は「私が直接話す」と乗り込んで来る。
応接間で気まずい沈黙。はらはらと涙を流す妻に、主人公は心を痛める。
話し合いは長引き、とうとう深夜に。
煮詰まって、主人公は二人を残して、二階に引き上げる事にする。
実は、心臓に持病のある主人公。オンナたちを二人きりにして、
気が気ではない。自分の心臓の音がやけに大きく聞こえる。


561 名前:559ツヅキ 投稿日:2006/01/13(金) 20:12:33
と、階下の様子がおかしい。心臓の音がひときわ跳ねあがる。
そして主人公は、血をながし、ぴくりともせず倒れている妻を見る。
半狂乱の愛人。つかみあいの末か自殺かで、とにかく死んでしまったらしい。
主人公の心臓は限界。おろおろしながら、妻を隠す主人公と愛人。
ともあれ、ひとまずホッとしてトイレに向かう主人公。
妻を可哀想にも思い、将来の事も悩み、心から反省もする。ところが。
ドアをあけると、そこには死んだはずの妻が立っていた! 
うらめしそうに主人公を見つめ、そして近づいてくる。
恐ろしい絶叫とともに、主人公の心臓は動きを停止した……。

後日。喫茶店でくつろいでいる愛人。話していてる相手は、死んだはずの妻。
妻はたっぷり保険金が入り、ほくほく顔。
やっと退屈なサエない夫から自由になったのだ。
愛人を演じてくれたのは、彼女の親友。はじめから、計画通りだったのだ。
妻は親友に礼を言い、保険金から謝礼を払う。
これは、二人だけの秘密。何があっても大丈夫。なぜなら、二人は親友だから。

ヘタレ夫、読んでる内は腹立つんだけど、次第にどよーんとした気分に。
わたなべまさこの同系列の作品は数あれど、これは特に後味悪かったYO。

 

幽霊 (わたなべまさこ名作集)
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