ホーム » スレ別 » 後味の悪い話 その39 » 月喰ウ蟲(大越孝太郎)

771 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/18(水) 14:38:44
大越孝太郎の短篇集「月喰う蟲」の中の一編。
物語は、ある女子高生の飛び降り自殺から始まる。
彼女には、好きな人がいて、断られたゆえの自殺らしい。
そんな彼女をあざ笑う同級生の少女がいた。自分の可愛らしさに自信のある少女。
彼女らは、同じ人を好きになっていた。
少女は、自分なら大ジョブと、想い人にモーションをかける。
相手は、やはり同級生の、背が高く、きりっとして、妖しいほどの美女。
キャピキャピモードで接近し、美女の家に上がり込んだ少女は、
美味しいケーキと紅茶でもてなされ、大満足。恋人になれると確信をもつ。
ところが、美女が語る生い立ちを聞いて、少女は仰天する。
この町には、いわゆる被差別部落にあたる土地があり、美女はそこの出身だというのだ。
しかも美女と同居していたのは、生まれてすぐ両親にゴミバコに投げ捨てられたため、
顔も身体も、醜くゆがんでしまっている「おねえさん」。二人は愛し合っているという。
あそこの出身者だとわかってたら、好きになったりしなかった。
しかもこんな醜い愛人のいる女なんて冗談じゃない、と、帰ろうとする少女。
だが、足が動かない。さっきのケーキに何か入っていたらしい。
少女は、一度美女に愛を誓ってしまっていた。だからもうここにずっと居なくてはならないのだ。
場面は変わり、青空のひろがるすがすがしい朝。
テラスで朝食をとる美女とおねえさん。
と、視点が低くなり、テーブルの下にいる「何か」の主観的な目線になる。
美女が、皿に乗せた食事を「ほら」と言って差し出す。受け取ってがつがつ食べてるらしい。
「何か」は、モノもしゃべれず、立ち上がる事もできないようだ。
明るい日差しのなか、静かに食事が進んでいく…。

陰影のはっきりした骨太の絵で、コワカコイイ系。
少女が具体的にどうされたかは、ハッキリとは判らずじまい。
被差別者だった美女のこういう成長ぶりが、人としていいやら悪いやら判らず、
でもしょうがないのかなあ、とか迷いつつ読了する感じ。後味悪いぞ。


775 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/18(水) 15:36:29
>>771
被差別部落うんぬんよりも、
漫画に出てくる人物が全て同性愛がデフォなところが
意味がわからないな・・・。
エロ系の漫画なの?

776 名前:771 投稿日:2006/01/18(水) 15:44:09
>>775
エロエロというワケではないんですが、ガロ出身の作家で、
最初の頃は耽美やグロを扱うことが多かったので、
何かインモラルな雰囲気を出したくて、こうなったという感じです。
作品によってはエッチシーンが多いのもありますが、本質ではないっぽい。
自分の中で、テーマ的に答えが出きってない題材を
チカラ技で描く(絵はすごく上手い)ようなとこがあって、
その辺が不安定で面白く、また後味も悪くなってるって感じかな。
肩すかし食う作品もあるけど、短篇集はどれもオススメ。

777 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/18(水) 15:48:43
おねえさんは、普通の姿になったの?醜いまま?

779 名前:771 投稿日:2006/01/18(水) 16:50:53
>>777
乳児の頃に、骨も筋肉もつぶれて、放っておかれてそのまま成長。
物語の最後までそのままでした。
でも心は誰よりも真っ直ぐらしい。

 

月喰ウ蟲
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