ホーム » 小説 » 児童文学・絵本・昔話 » くびなしほていどん(さねとうあきら)

10 名前:1/2 投稿日:2006/01/21(土) 01:47:43
江戸時代、とある小さな村に1人の乞食が住み着いた。
今で言う知能障害があったようで、いつもにやにや笑いながらうろつく乞食を
村民は嫌っていた。
しかし村で祝い事をしていると、「こんばんは、おめでとさんです」と
言いながらやってきて、見かけに似合わない良い声で歌を歌った。
その時だけは歓迎された。

そんなある日、雨が続き農作物が不作だというのに、普段の2倍の年貢を
要求してきた殿様に怒りを抱いた村民は、一揆を起こすことを決める。
しかし先頭で旗を持つ人間が決まらない。
他の人間は、他人に混じっているから目立つことはないだろうが、
先頭で、しかも旗を持って歩くのは当然ながらよく目立つ。
一揆に参加したことがお上にばれると、本人ばかりでなく家族親類まで
磔に処されてしまうから、誰もが旗持ちなどしたがらない。
そこで村民は、例の乞食に旗持ちをさせることにする。
何も分からないままに了承する乞食。

そして一揆が始まった。
近隣の村からも多くの村民が参加し、旗を持った乞食の後についていく。
乞食は、事前に村民に言われた「何があってもまっすぐに進め。怯むな」
という言葉に従って、城から飛んでくる弾丸にも怯まずまっすぐ歩いていく。
そんな乞食の態度におびえた殿様は、年貢を下げることを許可する。
喜ぶ村民。
乞食は一躍英雄に。


11 名前:2/2 投稿日:2006/01/21(土) 01:48:32
しかし数日後、「一揆に参加した者は名乗りでよ。もし誰も名乗りでなければ
適当に村人6人を選び磔に処す。」というおふれが出て、村民は苦悩する。
1人が名乗りを出ると、家族や親類まで磔にされてしまうからだ。
そこで、親類がいない乞食を一揆に参加した者として渡すことに決める。
自分たちのことを喋られてはまずいので、首を切り落とし、死体だけ城に引き渡した。
磔に処される乞食と、近隣の村の多くの住人。

その村からは乞食以外の犠牲者は出なかったが、村内はひっそりと沈んだような
雰囲気になってしまった。
ほとんど外を出歩く者はいない、死んだ村に。
なぜならある日祝い事をしていると、「こんばんは、おめでとさんです」と
言いながら、例の乞食がやって来たから。首のない。
その場に居合わせた人々は発狂してしまったという。

どこかの民話だそう。
オチももちろんだけど、乞食を自分たちの好きなように扱う村人も
自分勝手で後味悪い。


557 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/30(月) 06:28:12
それどこかの劇団の公演で見た。「首なし布袋さん」っていうタイトル。
「布袋さん」ってのがその乞食。(太ってて布袋っぽかったから)
確かそれでは、布袋さんと仲の良い村娘が一人いて、その子は布袋さんが
殺されたと聞いて悲観のあまり目が見えなくなってしまう。
で、首のない布袋さんが村に帰って来た時、村人達が腰を抜かしてる中
目の見えない娘は声だけで「布袋さんが帰って来た!」と喜び、
そのまま首なし布袋さんとどこかへ去っていく、というものだった。
後味悪いはずなのに、ラストの雰囲気は妙に明るかったな。

631 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/30(月) 22:11:50
>>557
私も小さい頃に読んでウヘアになった>布袋さん。
ずーっと忘れてたのに最近になってあれはなんだったんだろう
って気になり始めてたんだけど、まさかこんなところで出会えるとは。
たしか首は旗の先にさして徘徊してたと読んだ記憶がある。
今から布袋さんでぐぐってみよう。

 

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