星の子(オスカー・ワイルド)
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652 名前:星の子 1 投稿日:2006/01/31(火) 03:30:16
- オスカー・ワイルドの童話、「星の子」。
小さなころに絵本で読んだんだけど(ほるぷ出版)、
内容はこんな感じ。—–
貧しい村の樵二人が雪道を歩いていると、空から星が降ってくる。
落ちたところへいってみると、豪華な布にくるまれた赤ん坊がいた。
片方がその子を引き取り、育てることに。
子供は星の子と呼ばれ、美しい少年に成長した。
星の子はその美しさゆえに傲慢で我侭に育ったけれど、
村の子供たちもそれにつき従っていた。ある日、村に乞食女がやってくる。
女は星の子に向かって、
「あなたは盗賊に連れ去られた私の子です」と言う。
星の子はそれを侮辱に感じ、女をボコボコにして村から追い出す。
そして何事もなかったように村の子供たちと遊ぼうとするが、
「お前みたいな醜い奴はあっちに行っちまえ!」などと言われて
輪から外されてしまう。
不思議に思って泉を覗くと、そこに写っていたのは
ヒキガエルのように醜くなった自分の姿だった。
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653 名前:星の子 2 投稿日:2006/01/31(火) 03:30:48
- 先ほどの乞食女の言っていたことは本当で、
これは生みの母にした仕打ちへの罰であると思った星の子は、
母の後を追うことにする。
ところが追っても追っても、母に追いつくことができない。何年も放浪した末、星の子はとある町にたどり着く。
しかし、星の子の汚い身なりと醜い姿を見た番兵は、
星の子を入れてくれず、奴隷として売ろうと言い出す。
そこに通りかかった男が、番兵と話をつけ、
星の子を買い取ってしまう。男は星の子を連れて帰り、自分は魔術師であると告げる。
これから日暮れまでに、
とある森に埋まっている白い金貨をみつけてこなければ
ひどい折檻をすると言われ、
星の子は泣く泣く探しに出る。
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654 名前:星の子 3 投稿日:2006/01/31(火) 03:31:46
- 森を探しても探しても、白い金貨は見つからない。
それでも探し続けていると、罠にかかったウサギがいた。
罠から助けてやると、ウサギはお礼に金貨のありかを教えてくれる。喜んで持ち帰ろうとするが、途中でらい病病みに出会い、
哀れんで金貨を恵んでしまう。
当然、館に帰ってひどい罰を受ける。次の日もウサギの助けを借りつつ黄色い金貨を見つけては、
らい病病みに恵み、その次の日も赤い金貨を恵んでしまう。
赤い金貨を持ってこなければ殺してしまうと言われていた星の子は
おびえながら町への門をくぐる。すると、番兵たちは頭を下げ、市民も集まってきて、
星の子を口々に称えはじめる。
司祭や高官まで出てきて、「我らの美しい王子がお帰りになった」と
星の子を王宮に迎え入れる。
星の子は驚いて自分が姿も醜く、卑しい心の持ち主だと説明するが、
かざされた盾に映ったのは、かつてより美しい自分の姿だった。それでも、自分は乞食の息子なのだと言い張っていると、
例の乞食女とらい病病みがあらわれる。
星の子が乞食女にひざまずいて許しを請い、顔を上げると、
そこに立っていたのは王と王妃であり、星の子の親なのだと告げる。
そして星の子は王の位を継ぎ、国中に平和をもたらしたのだった。
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655 名前:星の子 4 投稿日:2006/01/31(火) 03:33:33
- 絵本ではここでお話が終わってました。
ちょっと変わった作風の挿絵がついてて、
すごくお気に入りの絵本のひとつでした。何年もたって大きくなってから、この作品が「幸福の王子」なんかと同じ
オスカー・ワイルドによる童話だと知って、
新潮社発行の文庫本を手に入れて読んでみました。お話は本質的に絵本版と同じものなのですが、
さらにその後に、たった三行程度で以下の後日談が書かれていました。—–
しかし星の子の試練はあまりに辛かったので、星の子は三年で死に、
後を継いだ男は悪政をしきました。—–
長年信じてたハッピーエンドが、たった三行で覆されてしまって、
かなり後味の悪い思いをいたしました。一緒に収録されてる作品も、
ワイルドならではの後味の悪い作品満載ですので、
このスレ的にお勧めの一冊です。
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656 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/01/31(火) 05:30:57
- オスカーワイルドの童話はどれも「純粋な愛→無理解」がしつこく出てくるよね。
ラストだけじゃなく作中何度も何度も。