シンパシー・フラワーズ(石田敦子)

947 名前:1/2 投稿日:2006/02/15(水) 21:06:52
今日読んだ「シンパシー・フラワーズ」って漫画が後味悪かった。
作者は石田敦子。このスレでは出てないようだけど
去年の作品だから既出かも。だったらゴメン。

主人公は小学生の時、好きだった女の子が援交してたことを知って以来
女性が怖くなり、大学でやっとできた恋人ともセックスできない。
(いざ入れようとすると萎えてしまう)
そんなある日、サークルの合コンで好きだった女の子と偶然再会する。
昔とはまるで違う清楚な雰囲気の美人になった彼女と話しながら、
主人公は小学生の頃のことを思い出す。

(ここから回想)
小学生の頃、彼女はいつも独りで、いじめにあっていた。
それでも平気な顔をしていて一匹狼という感じの娘だったが、
学校帰りには毎日川原で長いこと花を探していた。
それを見ていた主人公は、自分だけが知っている彼女の優しい一面に惹かれ、
塾の帰りにも彼女の家の前を通って帰っていた。

ある日、塾の先生に花をもらった主人公は彼女にプレゼントしようと
いつものように帰りに家の前を通るが、彼女の姿は見えない。
そこへ帰りが遅いのを心配した母からのポケベルが鳴り、あわてて近道を通ると
彼女が男とホテルから出てくるところに出くわしてしまう。
真っ赤になりながらも、こんなとこに入っちゃだめなんじゃないの?と
なんとか聞いた主人公に彼女はにやりと笑って言った。
「自分は大人になったらこんなとこに来るようなことはしない。
ばばあがセックスなんか汚い。今のうちにたくさんして、
20歳になったらもう一生しない。おばはんになってあんなことするのは気持ち悪い」
そして、さっきの男以外とも何人も何回もしたと言う。
主人公はそれを聞いて嘔吐し、強烈に「怖い」と感じるのだった。
(回想終わり)


948 名前:2/3 投稿日:2006/02/15(水) 21:08:10
しかし再会した彼女とは普通に話せた主人公は
あの日ホテルの前で言われたことは彼女のSOSだったのではないか、
小学生の時は分からなかったが今ならそれを受け止められる、
自分が女を怖いと思うのもセックスができないのも彼女となら解決する、と考え
恋人と別れて彼女と付き合い始める。

そして数日後、いつも学校帰りに花を探してた君を見てた、と
小さな花束を渡した主人公を彼女は自分の部屋に誘う。
学生の一人暮らしにしては広すぎる部屋に主人公が驚いていると、突然彼女のキスが。
「私のこと好きだったの? でもあの時言ったこと本当よ」と言う彼女に、
主人公は「昔のことはいい、本当の君はここにいる」と答えてそのままベッドへ。

ベッドの上で、あの花は葬式の花だった、と彼女が言い出す。
毎日母親とそのヒモを心の中で何度も惨殺した。花を摘んではお墓に供えてやった。
踏みにじってぐしゃぐしゃにしてやった。でもあいつらは実際には死なない。
いつもセックスしていた、その時の母親の肉が気持ち悪かった。
なんであんなに醜いのにセックスするんだろう、と。
さらに彼女は母親とそのヒモたちから虐待(性的にも)されていたらしく、
母が自分を殴ってる時もやっぱり醜く肉が揺れてた、とも言った。

たまらず主人公はやめてくれと彼女を抱きしめ、もう忘れろ、自分も忘れると叫ぶ。
すると彼女がさっきの花をほしがるので、「これは葬式の花じゃないよ」と渡すと
彼女はとても穏やかな笑顔でこう告げるのだった。
「私ねえ 中学の時から本番裏ビデオ仕事にしてるの」
「今でも相変わらず男のをくわえて生きてるのよ」

呆然として思わず握っていた彼女の手を離してしまう主人公。
それを見た彼女は「あ 離すんだ?」と笑って言った。
「ごめんなさいね 救ってあげられなくて」
「本当の私って…どこよ?」と。


949 名前:3/3 投稿日:2006/02/15(水) 21:08:58
2/2が長すぎたorz
これで最後です。

その後、主人公は雨の中を元恋人の部屋へ行き、
「分かってる。あなたは悪くない」と優しく抱きしめてくれた元恋人の胸で泣くのだった。
それから裏ビデオ出演がバレて大学を辞めたとか辞めてないとかいう彼女の噂を聞いた、
という主人公のモノローグが入り、ラストは就職した主人公が恋人(よりを戻したらしい)
との待ち合わせ場所へ向かう途中、花屋の前を通りかかって彼女のことを思うというもの。
子供だったあの時に花を渡せていたら違う未来はあったんだろうか、
今でも彼女の夢を見るけど、いつも花を渡す前に目が覚める――と。

主人公のお寒い勘違い偽善者っぷりと、
結局その女の子が大人になってもまだ同じことをしてるのが後味悪い。
何より最後、主人公が幸せになってるくせにまだ彼女のこと忘れてないのがもう…


951 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/15(水) 21:12:19
>>950
乙。非常に後味わるかった。
しかしこういう作品を世に出す作者ってのは・・・
嫌がらせに近いなw

966 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/15(水) 23:26:33
>>949
主人公は偽善というよりはヘタレって気もするけどなー。
トラウマが原因とはいえ、実際どうしようもないし。

 

姉さんゴーホーム (KCデラックス)
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