ホームステイ先でのクリスマス

233 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/20(月) 11:04:37
実体験で悪いが(スレ違いならスマソ)、自分的に後味の悪い話。

高校の時、一年間、アメリカにホームスティしてた。
友達と一緒にお世話になった滞在先はとても感じのいい夫婦と中学生の娘が一人。
彼らはキリスト教徒で、たまに日曜日に教会に行く程度。
私達にも強制的に勧める事もなく「もし興味がわいたら、いつでも連れてってあげるからね」
という感じで、本当に穏やかで親切な人達だった。

クリスマスが近づいてきたある日、ホームステイ先のお母さんから、
近々、教会でクリスマスの劇があるから行かないか?と言われた。正直、私は最初は渋ってたのだが、
友達が興味を持ち行きたいと言い出し、私も普段はかなりお世話になってるんだし、
クリスマスだから案外楽しいかも、と思い連れて行って貰う事にした。

ところが着いてビックリ、劇はショート・ショートなのだが内容は全て一緒だった。
二人の男が出てきて、生前のシーンを再現する。一人は金持ち、一人は貧乏。
だけど金持ちの方は教会には多額の寄付をしているが信仰心ゼロ。
一方、貧乏人の方はお金はないけど、毎日、神に感謝しながら生きている。この二人が同時に何かの事故で死ぬ。
死後の世界、彼らは天国の門の前に立ってて、天使が天国行きの名前が書いてあるリストを持っている。
結果は当然、貧乏人は天国行き、金持ちは載ってないので地獄行き。
この時、いきなり大勢の赤と黒の装束に身をまとった人達がソデから出てきて、
金持ちをひきずって行くのだが、音楽や照明も怖く、小さい子は泣き出し、高校生の私でもビビった。
そしてこんな内容が延々と3時間も続いた。


234 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/20(月) 11:05:50
劇が終わってから、神父さんが
「この劇を見て、悔い改めたい方はどうぞ私の後を着いてきてください」と言って、ある部屋に希望者を集めた。
私は正直、劇に関してはムナクソ悪く思ってたのだが、見事に友達が洗脳されてしまい、
死後、自分が地獄に行くのではないかと怖がった。
すると、それを合図にせきを切ったように、ホームステイ先のお母さんが
「そうよ!今すぐ、神父様達が集まった部屋にいきましょう!入信すれば死後の世界であなたは天国にいけるわ。
 無心論者や他宗教の人達は天国にはいけずに、地獄に落ちてしまうのよ。それでもいいの?
 今までどんな罪を犯してても、今ここで入信して神様に悔い改めれば、すべて許されるのよ。
 そっからまた毎日、感謝をして生きていけば立派な信者になれるわ!もし入信せずに明日、死んだらどうするの?
 あなたは地獄に落ちて、ずっと苦しむのよ、それでもいいの?」
とマシンガントークをした。

洗脳された友達は震え上がって、ホームステイ先の人達と一緒に部屋に行ってしまった。
私にもかなりしつこく勧めてきたが、かなり引いていた私は強く断り、
一人で彼女の入信が終わるのを待っていた。正直、劇の内容にも引いたが、
一番、怖かったのは普段とはうってかわって豹変したホームステイ先のお母さんの態度だった。
いつもは大声も出さずににこにこと穏やで、何一つ、私達に強制しなかった分、
そのギャップは更に私の恐怖を煽り立てた。

帰ってきた友達に車の中で「本当にあれで良かったのか?」と聞くと、本人は満足そうな上、
ホームステイ先のお母さんにも「同意の上だから何も問題はないのよ」と言われた。
確かにそうなのだが、今、思い返してもクリスマスの出来事は私にとっては
後味の悪い話(というか体験)です。


235 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/20(月) 11:21:57
こえー…。
宗教的な事は人を変えるよな。

237 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/20(月) 11:24:50
>>233
へえ~、入信しなきゃ地獄行きとか
なんか、怪しげな新興宗教みたいやね。
キリスト教ってそんなに過激なの?
まあ、多額の寄付をしても信心がなければ
地獄行きってのは、まだ良心的なのかもしれんが。

238 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/20(月) 11:29:44
キリスト教っても色々あるからね。
米国の保守的な地域だと、かなり過激だよ。
中絶反対を掲げてる一派が、中絶を執刀した医師を殺したりさ。

240 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/20(月) 11:37:48
帰国してからも信仰を続けたのかも気になるね。

242 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/02/20(月) 11:51:07
ホームステイ先のお母さんが、宗教的な事をあんなに強く押し付けたのは、
後にも先にもあの時だけでした。留学期間が終わるまで、ホームステイ先の家族はとても良くしてくれたし、
(だから余計にあの件が記憶に鮮やか)友達もたまに一緒に教会には行ってたみたいです。
日本に帰ってからはめっきりで、きっと今では自分が入信した事すら忘れてると思います。
確かに感受性の強い子だったので、騙されやすいタイプではありました。
今では仕事でたまに海外に行きますが、誰かに宗教的な話題をふられても、
お茶を濁して逃げています。クリスマスが来るたびに思い出すし、正直、ちょっとトラウマです。