最高傑作の彫像

358 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:2006/03/10(金) 14:11:12
後味悪かったショートコミックの話。
古いアパートに住んでる、サエナイ感じの彫刻家。
長いこと下積みで、生活のためにエッチな人体の造形とかやってて、
でも本人には、いつか素晴らしい彫刻を作ってやるとの夢が。
そしてある夜、彼は親友の顔をモデルに、一体の胸像を完成させる。
自分でも最高傑作、会心の出来。コンテストにも出してみよう、
展示会にも持ち込もうと夢がふくらむ。試しにいたずら心で
コタツに寝かしてみると、本当に生きた人間がコタツで寝ているよう。
ゴキゲンで、胸像はそのままに、一杯飲みにでかける男。
その留守中に、その親友が差し入れを持ってたずねてくる。
コタツの胸像を見て、感心する親友。アイツやったな、と改めて腕を認める。
だがこの親友、いいやつだが大変イタズラ好きでもあった。
自分の顔に、大きなひび割れのようなラクガキをすると、胸像を隠し、
自分がコタツに横になる。男が帰って驚いたら、起きあがって笑ってやり、
あらためて傑作の誕生を祝ってやるつもり。
ところが男はなかなか帰ってこない。いつしか親友は眠ってしまった。
さて酔っぱらって帰ってきた男。上機嫌でコタツを見ると、
像の顔にヒビが…。自分のいい加減な管理に絶望する男。
俺はこんな作品に浮かれて酒を飲んで、最低な奴だと、一気に沈没。
「こんな彫刻…こんな彫刻…」涙ながらに、彫り物用のでっかいナタを構える男。
自分が最高傑作と信じた作品。明るい未来を夢想した作品だが…
男は像の頭部に、力一杯ナタを振り下ろした。